「 田中君をさがして 」 一覧

ゴォー、ゴォーという音がしている。 ぼくは、何の音だろうかと、目を開け、耳をそばだてた。 雲が、ものすごい勢いで、飛んでいる。 雲は、何重もの層になっていて、層 ...

ママは、花だけでなく、音楽も大好きだ。 学生の頃、コーラス部に入っていたのだ。ぼくが、生まれたときから、ずっと歌を聞かせてくれていたらしい。 しかし、ある日、車 ...

パパの違うところは、人とうまくいったときにも、咳が出ると言った。たとえば、道を尋ねられて、うまく説明できて、その人が、お礼を言って立ち去ると、ものすごくうれしく ...

いろいろ冒険小説を読んだけど、主人公の家のことはあんまり書かれていないか、冒険が終わったときに、小説が終わることが多い。主人公の家族は、どんな気持ちで、待ってい ...

とにかく、知らなくてもいい言葉があるのは、パパには、納得できなかったが、使うのに注意しなければならない言葉があるのは、よくわかっていた。 パパの話では、それ以前 ...

どちらにしろ、パパも、ぼくに、子どものときのことを言って、なんだかうれしそうだった。 こんなことでも、パパの役に立ったかもしれない。 あるとき、親戚が集まったと ...

それを、大人になっても、わからない人が、なんと多いことかと嘆く。 また、パパの話では、注意しなければならないのは、「見る」ということは、ひじょうにむずかしく、人 ...

それで、独身の鈴木さんは、ぼくの家によく来る。ぼくのことは、何でも知っているので、 ぼくが動揺しているのを感づいたかもしれない。 ママは、「悠太は、心が顔に出る ...

国は、もう古い仕掛けなんだ。いや、古い仕掛けにしなくてはならない。 恐竜が絶滅したのは、隕石が地球にぶつかってからとも、大きくなりすぎたからとも言われている。 ...

パパは、門の扉を引っ張ると、ガタッと開いた。僕のほうを見た。 「パパが、この前来たことがあるからな。そのとき、かぎをはずしておいたんだ」と、小さい声で言った。道 ...