自信

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復活ノート

「自信」
莫大な資金が、投資先を探して、世界を駆けめぐっています。石油やサトウキビ、不動産など、危険が少なく、儲けが大きいものなら何でもいいわけです。
しかも、金融市場は、世界的につながっていますから、外国の出来事でも、日本の銀行がしょんぼりするのです。サブプライムローンは、その典型でしょう。
今度のアーバンコーポレイションの破綻も、地方銀行に大きな痛手になるようです。
「シンジケートローン」や「特別目的会社」など、聞きなれない方法で、何百、何千億円という資金を融資しても、投資先が破綻してはどうしようもありません。
バブルのとき懲りても、不動産は魅力的なんでしょう。しかも、首都圏、阪神間はミニバブルと言われていたのですから。
「赤信号みんなで渡れば恐くな」かっても、そこにトラックが青信号でくれば、ということなのでしょう。
金を貸すのが銀行の生業(なりわい)ですから、そういう危険は必ずついて回ります。
ところで、地方銀行は、私たちの行きやすいところです。しかし、これで、また「けんもほろろ」となるかもしれません。
借り入れを断られると、自信を失います。
私も、「社会的に有益で、将来性もあります」などと力説しても、「それじゃ、他を当たってください」と言われて、すごすごと帰ったものです。
そうでなかっても、どこも自信を失っています。
「お客様の声をお聞かせください」というアンケートが、ファミレスなどのテーブルにおいてあります(スタッフに読ませないためか、「社長室行き」のハガキになっていることもあります)。
内容は、「スタッフの対応や言葉使い」、「料理の味や早さ」、「お気づきのこと」など何十と並んでいます。
「内部告発」ならぬ「外部告発」に加担しているかのようです。
私も、そういうことをやりましたが、最後には読むが恐くなりました。褒めてもらうとうれしいですが、激しい批判の言葉に接すると、自信を失ってしまったからです。
お客様の言葉から経営のヒントを得るはいいことですが、その言葉は、一方の立場から来ていることを忘れてはなりません。
ベンツは、ダッシュボードの上には、何も置けないようになっています(水平にするだけでなく、カーブにして、紙さえ置けないようになっていたと思います)。
ドライバーにとっては不便でも、そこに何か置かれて、視界不良で事故でも起こされたら、経営を揺るがすイメージダウンになるからだと思います(ダイアナ妃の事故現場は、事故原因がわからないままですが、「ベンツが無残に壊れている」と世界中の人間にインプットされました)。
また、ベンツ社は、「もう化石燃料で動く車は作らない」と宣言したそうです。
行動には自信が必要ですが、自信は人のことを気にしないという態度から生まれるものかもしれません。
銀行などから借り入れを断られても、謙虚になることは大事ですが、今までやってきたことに自信を持って、次のことを考えましょう。
「今までやってきたこと」には、「失敗」というかけがえのないものを持っているのですから。