「 長編」 一覧
-
シーラじいさん見聞録
2016/11/29
ペルセウスたちは、今さらながら硫化水素の恐ろしさに気づいたように顔を見合わせた。 「きみたちは、近くまでいったのに、よく無事に帰ってきたよ」オリオンが慰めるよう ...
-
シーラじいさん見聞録
2016/11/28
「シーラじいさん。それなら、ベガが見た者はその穴に住んでいるとしか思えないのですが」リゲルが聞いた。 「うむ、見まちがっていなければそうじゃな。しかし、そんな場 ...
-
シーラじいさん見聞録
2016/11/25
「それに近づくとどうなるのですか」とオリオンも少し動転した。 「吸いこむとわしらはすぐに死亡する」 「そんなものが海にあるのですか」 シーラじいさんは、「海には ...
-
シーラじいさん見聞録
2016/11/24
シャチの若者は夢中になった。「安全な場所」では、つまり、自分の社会では、1人で、あるいは、みんなでどう食料を取るかを教えられるだけだった。 もちろん、生きていく ...
-
シーラじいさん見聞録
2016/11/23
「クラーケンの部下がきみらを襲うおそれは十分にある。やつらはこの近辺に来ているし、実際、クラーケンと行動をともにしている仲間がいるじゃないか。 もし襲撃してくれ ...
-
シーラじいさん見聞録
2016/11/22
1頭のシャチが動いた。長老という年ではなさそうだが、相手を威圧する雰囲気をもっている。 若いシャチが、発言をするときに許可を求めていたシャチだ。ここの社会をまと ...
-
シーラじいさん見聞録
2016/11/21
大きな声と波しぶきが起きた。それは感謝の気持ちのあらわれだったが、シーラじいさんは、シャチが理解できたがどうか不安だった。 しかし、全員で育児や助けあいをするの ...
-
シーラじいさん見聞録
2016/11/20
そして、リゲルに、「教官が呼んでいます」と叫んだ。 オリオンは、「でも、お兄さんが?」という顔でリゲルを見た。かなり離れた場所にお兄さんが一人でいた。 「お兄さ ...
-
シーラじいさん見聞録
2016/11/19
気がつけば嵐は完全に静まっていた。自分たちが起こす波の音以外は聞こえなかった。 遠くで2,3の星が光っていたが、真上は、嵐とともに去らなかった雲が低く垂れこめて ...
-
シーラじいさん見聞録
2016/11/18
「了解」ペルセウスは、そう答えると姿を消した。 オリオンは海や空をじっと見た。重い風が吹きはじめている。雨を含んでいるのだ。 水平線から真っ黒な雲が湧きだしてい ...