小さいことはいいことだ~

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復活ノート

「小さいことはいいことだ~」
♪大きいことがいいことだ~♪
森永のエールチョコレートのCMで、作曲家の山本直純が、富士山を背景に気球に乗って、タクトを振っていました。
まさに日本が飛躍をする寸前で、ドラクロワが描く「民衆を導く自由の女神」が持つフランス国旗のように、もっともっと働いて、大きい自動車、大きい家を持とうと、日本国民を励ますかのようでした。
その応援歌のお陰かどうかは知りませんが、日本は、世界が奇跡と言うほどの復興をしたのですが、50年後の今、昔の「イギリス病」と同じように、「日本病」と言われるようになりました(つい最近も、韓国の大領領から、「日本は、昔ほどの力がない」と指摘されました)。
これも順番です。自動車産業を、アメリカから奪ったように、テレビやパソコンは、韓国や中国に奪われただけです。
日本の失敗は、「ガラケー」(ガラパゴスケータイ)と揶揄されるように、日本が作ったものは世界が受けいれるはずだという「おごり」から抜けだせなかったことです(アメリカは、軍隊が考えたインターネットに着目し、さらに世界規範を作りつづけました。パソコンの特許などは、ほとんどアメリカの企業です)。
順番とはいえ、今度は、アメリカをぎゃふんと言わせることができるのでしょうか。
「どうした!シャープ」、「どうした!ソニー」という掛け声が、♪大きいことはいいことだ~♪という応援歌の余韻の合間に聞こえてきます。
今問題となっているEU諸国の衰退は、経済や社会のグローバル化の波にうまく乗れなかったのが原因でしょうが(金を借りてきては、湯水のように使った)、イスラム圏などは、このようなことはすべてアメリカの策略という非難をしています。
民主主義を、もっとフットワークの軽いものにしなければ、経済に追いつかないでしょう。
個人の場合は、性格、考え方一つです。世間という「グローバル化」に流されないで、つましい生活をしている人もいます。
問題は企業です。特に、銀行から金を借りる場合や、どこからか投資を受けている場合は、売上げは企業判断の基本だからです。
また、人件費を上げないわけにはいきませんし、設備投資が必要な時も来るでしょう。
しかしながら、自省を込めて言うのですが、会社が破綻するのは、必要もないのに、会社を大きくしようとするのが原因です。
会社を大きくしないで(特に全国展開など物理的に)、安定した経営をめざすことに心血を注ぐことです。
経営者の器量にも、10人程度の社員なら実力を発揮するが、100人になると束ねることができない人がいます(もちろん逆もあります)。
まずは大きくしないようにしてください。