地産地消

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復活ノート

「地産地消」
前回、事業を大きくしようと考えることは、失敗する確率が高くなることだと言いました。
シャープの状況を見ていますと、シャープペンシルからはじまって、電卓、カメラつきケータイ、そして、液晶テレビ、その大型版という「プロジェクトX路線」を走ってきましたが、韓国や中国のメーカーが安いものを出してきたために、つまずきはじめました。
しかし、自信があった60インチ、80インチの大型テレビに注力をして、その製造のために何千億円と投資したのです。
しかしながら、日本や世界は、テレビ離れが進行していて、誰でも、スマホ、ウルトラブック、タブレットを持つようになっています(私は、スマホを持っていないし、当分持つ予定もありませんから詳しくは知りませんが、NOTTVとはスマホ専用の放送局というではありませんか)。
今は大企業でも、判断をまちがえば、こうなるのです。中小企業などは、あっという間です。それで、「規模は小さく」という経営方法を提案したのです。
今回は少し具体的に言います。東北の大地震以来、日本人は変わったと言われます。
地震、津波という天災だけでなく、原発事故という人災で故郷を追われたのですから、「お上」の言うことを渋々でも聞かなくなったのは当然です(今回被害を受けなくても、今回のような地震が近くで起これば、ほとんどの人が故郷を失くします)。
今ほど、自分が生まれた場所、住んでいる場所を大事にしようとする気持ちが高まっている時はないような気がします。
「地産地消」という言葉があります。地元で作り、地元で消費する。電力でも、火力だけでなく、水力、風力などを使って、「地産地消」をすれば、充分やっていけるといいます。
産業革命以来、文明は進んできましたが、マスプロ化、グローバル化がいよいよ行きづまってきたように思います。
また、何もかもサイバーで行われるようになり、地に足をつけて生きているようには思えなくなりました。
地元で生まれ、地元で死ぬのも、「地産地消」かはともかく、農産物などを地元で消費するようにすれば、流通コストがほとんどいらないので、新鮮なものを安く売ることができます。大手スーパーなど怖くありません。
農産物だけでなく、肉や魚もそうです(もちろん、魚は、海から遠い場所では無理ですが、ネットワークを作って、バーター契約をすればいいのです)。
店舗を含め、後はどう売るかだけです(配達もいいでしょう)。
そうなれば、強制されたものではなく、自ら故郷を大事にしようという気持ちが出てくるはずです。
仕事がないから若い者が出ていき、高速道路ができたから地元で買物をしないと手をこまねいていずに、何かしようとなるのではないでしょうか。
アシストテレスは、「人間は社会的動物である」と言いましたが、今こそ、自分の手が届く社会を取り戻すときです。
中小企業には、その手助けができます。そして、利益も出ます。