出版業

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復活ノート

「出版業」
復活をするためには、他人事ながら、現在元気のないビジネスを考えることが役に立つといってきました。
それで、前回は、「便利屋」についてお話ししたのですが、大物を忘れていました。
「出版業」です。出版社を営んでいる経営者が、「出版業は、もう斜陽産業ではなく、絶望産業だ」と言っているのだから、まちがいないでしょう。
私が、就職活動をしていた35、6年前は、出版社は、文系の花形で、給与も高く、ボーナスも、2、300万円あるといわれていました。
先日の新聞では、日本では、毎月、200冊以上の本が出されているのに、返品率は、4割以上あるとか。
返品された本は、出版社で、化粧をしなおして出番を待つますが、しかし、そのようなことはほとんどなく、大抵、裁断される運命にあるようです。
しかし、大ヒットを出して、赤字を解消したい。そのためには、「下手な鉄砲数打ちゃ当たる」で、どんどん新刊を出さなければならないという図式のようです(タレント本は、手っとり早い方法です)。
以前、「復活コンサルタント」として、「こんな原稿を書きました」と、あちこちの出版社に原稿を送ったことがありますが、ほとんど返事はなく、来ても、「素人の本は、出す気がない」、「忙しいので、送ってくるな」などとヒステリー調の文章でした。
ドイツでは、書店スタッフの能力を高める講座が開かれたり、どんな本が出されているかというデータベースができあがっているようですし、イギリスでは、「町の小さな本屋」の支援が行われているようです。
日本では、その間にも、詐欺商法の新風社は論外として、草思社などが続々倒れています。
不況の原因は、テレビが出現して、若い者が本を読まなくなったからといわれて久しいですが、現在は、ネットなどの新媒体で、状況はさらに悲観的になっています。
「書肆アクセス」という弱小出版社の本を紹介する書店もなくなったようです。
出版を取巻く環境は、人も住めないような状況です。
これ以上、ビジネスに向かない場所はないようです。
いよいよ私たちの出番です。ひどい状況で競争相手は元気がなくなっているので、まあ、腰を据えて考えましょうか。
(1)確かに、子供のときから本を読む習慣がないと、本を読まずに一生過ごすことになりますが、途中で、本を読む喜びを持たせるためには、どうするか。
(2)出版社と書店の間にもぐりこめないだろうか。そうして、1人1人の読者の希望を知って、本を薦めるのもおもしろそうです。
(3)本という商品に、自分なりの意味を与える。
さあ、あなたの前には、難問が待っています。