分を知る

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復活ノート

「分を知る」
中国の農薬冷凍食品問題は、「ぎょうざ」だけでとどまらず、「肉まん」、「さば」、「トンカツ」へと広がってきました。
当初言われてきた「労働問題」などではなく、単純な「生産問題」かもしれません。
つまり、「大量に、効率よく」という、中国らしいスローガンに沿った経済活動の結果なのでしょう。
日本の「食品偽装問題」も(これも、まだまだ終っていなくて、最近では、「JRの弁当」がニュースになっています)、「大量に、効率よく」が根底にあるような気がします。
赤福を作っている会社=一族は、「偽装」に列せられた中では、一番歴史があるようですが、家訓が生かされていなかったようです。
冷凍技術や流通を考えると、せっかく高い材料費と人件費を使って作ったものを処分するのはしのびがたかったかもしれません(「無駄にするな」という家訓が、法律と抵触したのです)。
また、京都の和菓子として有名な「八つ橋」の後発企業が、販売を京都以外にも展開する新興の商法を取ったことに影響されたこともあるでしょう。
その結果、他市の下町の商店街で売られているだけでなく、修学旅行の前には、赤福の注文書が学校に配られるという「成功」をおさめました。
これは、長い目で見れば商品価値に影響が出てくるでしょうし、積極商法の危険がつきまとうことになります。
「吉兆」でも、誰でも知っている名前なのに、売上げがそうないことが、経営者の焦りを生んだのでしょうか。
とにかく、手を広げようとすれば、銀行から金を借りることになります。そのためには、架空の税金を払ってでも、黒字にしなければなりません。それも偽装なら、偽装が偽装を生む構図です。
復活をめざしている人は、自分の人生を見直すことを復活の基本にしてほしいと思います。事業が頓挫すると、悔しいし、恥ずかしいし、借金が残っているし、とあせってしまいます。
しかし、頓挫そのものも、途中で急ブレーキをかけても間に合わなかった結果です。
このまま負け組で終わりたくないという気持ちは、私にもありますが、お金がないだけで負け組ではないような気がします。
「事業をやっている人間がそんなことを考えることこそ負け組だ」という意見もあるでしょうが、負け組と負け犬とはちがうというのが私の考えです。
「負け犬」は、自分の前の現実から逃げる人の謂いです。
自分を見直して、能力や性格を含めた「自分の分(ぶ)」で生きることが大事です。
それが、復活への道です。