
浮いている家
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復活ノート
「浮いている家」
「お忙しいのに、わざわざ来ていただいてすんませんなあ。声かけてもうたら、こちらからお伺いしましたのに」
「アホか。暇やから来てはんねやないか」という漫才がありますが、「売れない」と嘆く前に、「向こうが来ない」なら、「こちらから行く」ことはできないか考えてみましょう。
また、「こちらから行く」ことが当然の商売なら、「向こうから来る」ようにはならないかも考えることです。
また、収入や手持ちが少なくなれば、同じ生活ができなくなるのですから、今度どうするか考えなければなりません。いや、考えざるをえなくなります。
それは、国民の生活でも、国でも同じことだと思うのですが、国は、国民という他人の金ですから、そういう発想はありません。
それなのに、いや、そうだから、産業界の意向を汲んだのか、政府は、「そろそろ原発を」と言いだしました。震度7の直下型の地震と大津波が起きても大丈夫だという保証はあるのでしょうか。
原発は将来には全廃する、そのために、代替エネルギー(メタンハイグレードなども)に本格的に取りくみと言えばいいのです。それならば、消費税や電気代が多少上がろうとも、国民は納得するはずです。
国民を一つにしようとする政治をしないから、何事も決まらないのです。
私たちは、将来を見据えて、発想を変えてみましょう。
私は、「今までなかったビジネス」を、評価の第一においていますので、数々の失敗をしてきたのは事実です。
介護保険ができる前から、「在宅介護サービス」や「在宅保育サービス」を始めたので、全国展開をすれば、「今までなかったビジネス」を完成できると思って、投資を続けました。
当時は、「介護や育児は他人に任せるものではない」という時代でしたので、やや早すぎたので、採算が取れませんでした。
人間は、他の動物と同じく、保守的です。自分がしてきた生活を変えたくないものです。
しかし、震災以後、文字通り自分が立つ地面が揺らぐようになり、今までの生活でいいのかと考えるようになりました。安全というものを、最優先に考えるようになったのです。
商売から言えば、既存の商売を打ちまかすチャンスなのです。
私は、六甲山の北に面しているベッドタウンで活動しています。
過去何十年の間、人口増加率全国1位を誇っていましたが、私が来たころには、住宅の動きはほとんどありませんでした。
しかし、4,5年前から、俄然動きが出てきて、「~タウン」という名で、100軒近くの家が、あちこち建てられています。
それは、今も続いていて、少子化の今、売れるのだろうかとこちらが心配するほどですが、買換えをするなら、阪神大震災でも被害がなかった場所でというのが謳い文句なのかもしれません。
しかし、日本は、どこにいても地震と無縁ということはありません。
それなら、「地面から浮いている家」はどうでしょう。水に浮いているのか、あるいは他のものかは考えるとして、浮いていれば、地震が来ても安心です。
住宅産業ではない人も、自分が大地と思っているものから離れることを考えてはどうでしょう。それが、発想の転換の最たるものです。
今ほどビジネスチャンスがある時代はないのです。