社会を見て

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復活ノート

「社会を見て」
昔、家族で函館に旅行したとき、夜、海に浮かぶ漁火に感動したことがあります。
イカ釣り船が操業していたのです。しかし、最近燃油の高騰で経営が圧迫されているのはご存知のとおりです。
政府による燃油代補助は、漁業を助けるのでしょうか。昨日(8月23日)は、コンテナ業界が、同じように救済を求めるデモをしました。
燃油を使わざるをえない事業会社にとって頭の痛い問題です。
ガソリンの暫定税を撤廃しようとか税率を下げようとかいう話がないのは、たかが1リッター4,50円上がったぐらいでいうことのでしょうか。
あるいは、3、40年後には、人口の半分が65歳以上になるので、高速道路建設が終っても、そのときのために、「ガソリンは高いものである」という既成概念をこわしたくないのかもしれません。
そういうことを説明するのが政治家だと思うのですが、国民全体に向わないのが自民党の宿命でしょうか(自民党の中川昭一は、「福田首相は、何も発信しない」と批判していますが)。
先の見えない、先を見せてくれない社会は、「ちょっとだけ」とか「今だけ」という「贅沢」を許さず、効率だけで進みます。
魚や野菜は、力を持ってきたスーパーが単価を決め、発注するようになっていますから、生産者が、燃油高騰分をかぶらざるをえないようです(魚は、小売値の2割程度の利益しかないとのことです)。
ダイエー創業者の中内功が夢に見た「消費者の意向が生産者を動かす」かのように見えますが、それは、大量に発注するスーパーの意向であって、消費者の意向ではないのです。
最近、港から、流通に乗らない、たまたま取れた魚の写真をネットで送るビジネスがあるとのことです(それを見た料理屋などが注文するのです)。
若い人たちも、「大学を出て、どこかの会社に入って」という流通が滞り、人材派遣という「蟻地獄」に足を取られています。
若い人は、きっと「自分だけの生き方」を探すようになるでしょう。
「ちょっとだけ」、「今だけ」を大事にしたビジネスも十分やっていける時代が来ています。
幸いネットを使えば、全国津々浦々で贅沢な(!)客を探すことができます。
社会を深く見ることで復活できると思うですが、どうでしょう。