選択ビジネス

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復活ノート

「選択ビジネス」
先日、ある市役所から封書が届きました。ドキッとします。事業を破綻させたものにとって、自治体や銀行などから来る封書は碌でもないものばかりですから。あの混乱から10年たっていますし、借りているものはすべて返しましたので、知らない市役所から「通知」などと書いてあるものは来ないはずです(今は私の実家がある市から、「実家を借りたい人がいました」という連絡を待っていますが)。
心を落ち着かせて開けました。すると、「返済完了」という言葉がありました。読んでみると、まだ事業をしているときにある従業員の子供が奨学金を受けるための保証人になっていましたが(まったく忘れていました)、それが完済したという通知でした。
非難だらけの経営者でしたが、一つだけいいことをしたようです。当然かもしれませんが、よく返してくれたという思いです。
最近、テレビなどでも奨学金が返せなくなり、自己破産する人が増えているということを知ったばかりです。
たいてい保証人は親がなるのでしょうが、収入などのことで親族か、私のように第三者がなることもあるのですが、もし何かあれば保証人に請求の矛先が向くのです(いまとなってはそうならなくてよかったわけです)。
そして、奨学金を使って入る大学も半分以上が赤字だ(私学ですが)というニュースも最近ありました(国立大学でも、研究費が不足しているそうです)。
バイトにおわれることはわかっているのに、なぜ無理をするのでしょうか(しかも、学歴偏重の時代ではなくなりつつあるのに)。
大学で多くの知識を持ち、見聞を広げることは大事ですが、世間体だけで大学に行くのは身を滅ぼす元です。
それについてはこれ以上触れませんが、返さなくてもいい資金を集めて、どうしても大学に行きたい若者を助けることはできませんか。
さらに、経験豊かなものが集まって、それぞれの若者の夢を聞いて、大学でどのように学ぶべきか、あるいは別に大学に行く必要はないなどとアドバイスしていくのです。それも、若者だけではありません。その両親とも話をします。
自分がやりたいこと、なりたいことをして人生を送ることほどすばらしいことはありません。
それなのに、「何とかなる」と親も子も安易に奨学金に飛びついた時から苦難の道がはじまることもあるのです。
人生は選択であることを教えるビジネスです。選択するためには、自分という素材だけでなく、社会や実例などを研究しなければなりません。これこそ生きるための態度です。
このビジネスは多くの若者を助けることでしょう。