プライドビジネス

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復活ノート

「プライドビジネス」
「子供より親が大事」と、太宰治は、「桜桃」という小説に書きましたが、ただ、彼はアスペルガーとか自閉症とか言われていて、人間関係がうまく結べない性格なので、小説も、自分勝手な内容で溢れています(それが、若者にはたまらない魅力で、私も、学生時代にはすべて読みました)。
だから、実生活でも、自分勝手な行動で、まわりの人を振りまわしています(心中も、3,4回していますが、高校生の時の最初の心中では、自分だけ泳いで岸に上がったことが警察の調書に残っているそうです)。
太宰の「自分勝手」は、名作を残しましたが、政治の「自分勝手」は、格差を生む原因のようです。
派遣法を改正して、正社員を減らす算段をしたり、残業代を払わないようにして、格差が解消できるとでも思っているのか。
原発の再稼働でも、安保法案でも、根底には「自分勝手」があって、自分たちの身を守りたいだけです。
それが権力と言ってしまえば終わりですが、何かあれば取りかしがつかないことになることをどう考えているのでしょうか(核兵器が使われたり、温暖化への対応が遅れたりしたら、「ごめんなさい」と謝られても人類の破滅をふせぐことはできません)。
政治が、「自分勝手」を出せば出すほど、国民は、自分がどう思われているか敏感になるものです。
たとえば年金生活者です。年金は徐々に減らされていますが、このままでは、さらに減額されます。
例のオリンピック関連の経費や防衛費など、削減できるものはあるはずなのに、どうして約束した額は払いましょうとならないのか(法律は変えられます)。
文句が出ないところから切ろうとしているのは見え見えです。ギリシャの財政再建を見ても、年金がまず目をつけられますから。
「少子高齢化」と言いますが、それは二つの視点であって、社会そのものは一つのものです。
政治はそのアンバランスを強調しますが、国民は、自分の家族やまわりを見て、自分たちが年を取ったときのことを考えて人生設計を考えるだけです。
自分の親が人生の最後を楽しんでいなければ、今の人生とはこんなものかと子供を作るのをやめるかもしれません。
国が、約束を守ってもらえることが分かれば、子供を作り仕事もがんばろうと思うのです。
しかし、老人も不平不満を言っているだけではつまりません。
負け惜しみではなく、60代、70代ほどすばらしい年代はないと思います。多くの老人はそれに気づいています。
スーパーなどがやっている「シニアなんとか」(それは売り上げを伸ばすためだけのもの)ではなく、老人のプライドを高めるビジネスが必要です。
若者を、政治の「勝手」から解放して、夢そして富にたどりつく道を教えることができるのは老人です。
「社会のお荷物」と濡れ衣を着せられたままでは面白くありませんものね、