流れ

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復活ノート

「流れ」
週1回程度、西宮市で一人住まいをしている叔母を訪ねていますが、先月、米寿の記念品が届かないと言うものですから、市に連絡をして調べてもらうことになりました。
翌日、市が委託している宅配業者の倉庫に残っていたという連絡がきました。
宅配業者が現金を取りあつかうことはない、それなら、小切手かなにかと思っていると、午後10時宅配業者が届けてくれたということです。
それを聞いて、お祝いを、としよりからいえば深夜に持ってくるなんてと憤慨しましたが、叔母は、「あなたは、88年の間よくがんばってきました・・・」という賞状に満足しているので、市に、他の人より10日以上遅れたのだから、市の者が午前中に来るのが筋だろうという抗議はしませんでした(お祝い金5000円は、老人会に一括送金されたようですが、老人会はとしよりが多いので入っていない叔母はもらえません。副賞は桜皮細工の茶筒でした)。
どこの自治体も赤字ですから、とめどなく増えるおとしよりのお祝い金は減る一方のようです(ただし、名古屋市を見ても、議員数を減らすことは断固反対ですし、西宮市では、その他に、市長などの専用車の運転手には月給50万円、議員のお茶汲みには年間1000万の予算などが問題となっています)。
自分が住んでいる自治体からは邪慳されるわ、なじみの小売店はほとんど店じまいをするわで、としよりは淋しいものです。
スーパーに行っても品数に圧倒されて何を買っていいかわからないし、店員に聞くこともはばかれるようです。
家にいても、振込み詐欺が狙っていますし、邪魔なゴミを片付けてやろうかという業者に甘えれば、「はい、10万円」と来ます。断ると、「自分で車から降ろせ」とのたまうとのことです。
「兎角に人の世は住みにくい」のです。家族に守られているおとしよりも多いと思いますが、おとしよりが、家の外に気楽に出ていける世の中になってもらいたいものです。
最近、当地ではパン屋が増えています。もちろん、そこで食べられるので、家族づれやおとしより同士が楽しくおしゃべりしています。
私の親の世代は、女に制約が多く、酒やタバコを飲むことはとんでもないと思われていました(昔は「タバコを飲む」と言っていました),
それで、女は長生きだと言えば叱られるでしょうが、おしゃべりの話術、内容、あるいはエネルギーなどは、男の比ではないでしょう。
老人会には顔を出さなくても、カフェには毎日でも行きたいのです。
若い頃、「喫茶店でもやってのんびりくらしたい」という友人がいましたが、「1杯200円のコーヒーで何時間も粘られるぞ」と冷やかしたものです。
今はコーヒーが安いほど売りあげがあります。あるパン屋は、「コーヒーお一人様1杯無料」で、いつも客があふれています。
時代の流れは昔に戻るものや、誰も経験しなかったような方向に行くものもあるのでしょう。
海の流れのように複雑なのです。自分が乗る流れをよく見て、ビジネスに生かしてください。