見極め

   { }

復活ノート

「見極め」
成功した経営者に、「成功の秘訣は何ですか?」と聞くと、「成功するまでやめないこと」という答えが返ってくることがあります。
それを真に受けて、今のままがんばっていこうと思う人がいるかもしれませんが、やめないということだけなら、子供でもできるという面があります。
それはわかっていても、実際、会社が動いていれば、そう簡単に営業を止めるわけにはいかないということがあります。
失敗した者の第一声は、「早くやめておけばよかった」です。ある意味、やめることは経営能力ではありませんから、経営能力が不足していたので会社を潰したのではないのです。
私もそうでした。しぶしぶ縮小しながらでも、ひょっとして好転すれば、また規模を拡大するのは時間がかかるけどなあという思いが、頭のどこかにありました。
その教訓としては、思うように売りあげが伸びないのなら、経営を続けるためには、どれくらいまで経費を抑えるかわかるのですから、そこまで一気に下げるべきでした。
何を続けて、何をやめるか、事業を続けるとしても、それ見極めることが経営です。
今は、拡大、拡大という時代ではないのです。しかも、すべて不景気で片付けられますから、見にくくなっているのです。
しかし、こんな時代でも、成功を続けている経営者はいます。そんな経営者は、やめることとやめないことを、世の流れを見ながら分けているはずです。
商売を変える、あるいは、発想を変えるということも、本人に取っては、別に不思議なことではないのです。見極めたら、こういう答えが出てきたというだけかもしれません。
世界的企業でも、何でも作る、何でもこなすということから早く脱却しなければ生きのこれない時代です。
人生だってそうです。何を続けるか、何をやめるかを見極めることが人生そのものと言っても過言ではありません。
続ける意志の強さより、やめる意志の強さがあれば、自分を出しきる人生が送れるとも言えます。
最近、手の込んだ方法で、しかし、昔からある方法で、15年間も脱税していたタレントがいましたが、目的と手段がわからなくなっていたようです。
本人も、いろいろな事業をしてきて、お金のありがたさが身に沁みついてきたはずです。
しかし、違法なことまでして貯めてもいいものかとは考えられなくなっていたと思われます。
人生は、右か左かの「あみだくじ」です。どちらかに決めないと、次に進めないのです。
大したことがないものもあるでしょうか、大きく人生を左右するものもあります。
やめることは幸いなるかな。