ほんとのシルバービジネス

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復活ノート

「ほんとのシルバービジネス」
今年も終わろうとしています。矢をたくさん放ったので景気が良くなったと言われています。21世紀でも原始的な武器が役に立つのですね。
給与やボーナス、もちろん株も上がり、銀座や新地の高級歓楽街では客が詰めかけているそうです。
同慶の至りです。同慶とは人の喜びを我が喜びと思うことです。私の子供が社会で働いていますから、ボーナスはともかく、給与が上がれば子供が喜ぶので、親の私にも喜ばしいことです。
ただ、給与やボーナスの調査は、上場クラスの大企業だけの統計です。日本の中小企業は、全企業数の99.7%です。雇用も70%です。そこの統計はどうなっているのでしょうか。
もっと言えば、私の子供は大企業には勤めていないし、親の私も、貯金もなく、株もできず、年金と細々した商売をしているだけですから、狭義では同慶まで至りません。
こんなしみったれた親子はそういないと思いたいのですが、高齢者は増える一方ですから、つまり、年金生活者は増える一方ですから、私のように統計に入らない者が大多数を占めています。つまり、砂上の、あるいは蜃気楼の好景気社会が出現しているのです。
その社会で生きて、商売をするのですが、一部の富裕層を相手にしたほうが、むずかしいことはあっても、努力に比例する報酬や名声があるのはまちがいありません。
しかし、大企業といえども、富裕層だけを相手にしている企業はありません。企業は、営業利益を増やす宿命にありますから、富裕層でない層も相手にしなければなりません。
それなら、統計にも入らない層、つまり、老人や失業者の層だけを相手にする商売はどうでしょう。
失業者はともかく、65才以上の高齢者は人口の30%近くいますので、(私もそうですが)、
おざなりの「シルバーなんとか」は山のようにありますが、それは営業の一環だけで、その高齢者の心の奥にまで入るものはありません。
しかも、最近は、若者だけでなく、老人の引きこもりも増えているそうです。金もなく、どこにも行く気力もないというのでしょう。
それでは、その老人はどうしているのか。同輩には言いにくいのですが、思索や読書ならいいですが、テレビの番をしているだけではないでしょうね。
それならそれでいいことがあります。テレビは、ネットやスマホの普及でその影響力や経済力を落としていますが、今こそテレビを活用するのです。
以前にも言いましたが、いくら年を取っても、本来の記憶力だけでなく、想像力、発想力は衰えない、いや、人生経験を援用して、それらはさらに飛躍するという報告があります。
それらを刺激するために、夜間でも、早朝でも、「年を取るということがいかにすばらしいことか」をあの手この手でテレビで言うのです。
失敗も病気も人生。せっかく生まれて、今日まで生きてきたのですから、「終わりよければすべてよし」で死にたいものです。「死に体」には「死に体」で。