1日は2日

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復活ノート

「1日は2日」
10年ほど前、50過ぎて大型バイクの免許を取りました。年は取っても性格は変わらないようで、あれだけ教えられていたのに、一回目の試験で前後後輪のブレーキを一気にかけてしまい、見事に転倒してしまいました。なんとか2回目で通りましたが、2輪車はバランスが命です。
ナナハンクラスは起こすのもコツがいります。最初はがむしゃらに力を入れてしまいますが、腕の力だけでは起こせません。
しかし、教官の話では、道路などで転倒すると、みんなあっという間に起こすようです。
恥ずかしいので、火事場のなんとかが出るというのです。
事業に失敗した私たちも、早く復活したくて、あせりますが、バイクのようにはいきません。
だから、あきらめる人も出てきます。他の道が見つかればいいのですが、探すこともしなくなれば、せっかく失敗したことが無駄になります(妙な言い方ですが)。
社会も、不景気や震災から復活しようとしています。長い時間がかかるでしょうが、社会全体が希望をもっているかぎり、必ず目的は達成されるでしょう。
失敗した私たちは孤独な毎日を送っているように思われますが、ほんとはそうではなく大勢の人が心配してくれています(私の場合も、借りた金を督促しない親戚もありますし、逆のこともあります)。
しかし、いつかは全額返したいという強い思いがあります。そのためにはどうしても復活したいのです。
お金がない人でも、時間はあるでしょう。時間がないからと、人に何かを頼めばお金がかかります。それなら、時間の使い方を研究するべきです。
以前、計画の立て方を話したことがあります。一日でできること、2~3日でできること、1週間、1月、1年とかかることを考えて、その日にできたことを数えて達成感とともに眠りにつくというものでした(どうしてもできなかったことは、次のスパーンに入れたら気が楽になります)。
まだ歯がゆい1日を過ごしている方はいませんか。1日を半分に考えてみてください。
つまり、午前と午後に分けるのです。午前と午後に分けることは、1日が2日あると思うことでもあるのです。これで、1月60日以上、1年720日以上あるようになります。私は、週2,3回は忙しくて睡眠不足になるですが、翌日は早めに寝ます。起きたときの気持ちよさったらありません。体も頭もまだまだいけるぞと思います。その勢いで、考えがまとまっていないことを考えるようにしています。
午後は、睡眠不足でなくても心身とも疲れるものです。気の緩みなどで失敗することもあります。
午後の印象が強いので、今日はついていなかった、自分はだめだとなりがちです(しかし、午前はすごい考えが浮かび、予定していたこともうまくいったのに)。
もし午前中に失敗しても、午後に、気を取りなおしてそれを修復すればいのです(実際には、その日の失敗を翌日回さなくてもすむのです)。
私は諦めが早く、「今日はもういい。明日がんばろう」とすぐ思うので、1日は2日と考えるようにしました。
ノーベル賞を受賞した根岸英一さんは、アメリカの大学で研究生活を送りましたが、師匠から、疲れたら、別のことを考えらいいと教えられたそうです。頭の疲れはそれで回復するというのです。
私は、それを聞いて、やったあと思いました。昔からそれをしていましたから(ただし、小説の筋ですが。こちらが壁に当たったら、ちがう小説のことを考えます)。
1日は24時間ですが、24時間は長いと思いませんか。時間をうまく使って復活しましょう。