本物ビジネス

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復活ノート

「本物ビジネス」
「開運なんでも鑑定団」という番組が好きです。ただし、テレビ東京の番組なので、テレビ大阪では、何曜日あるいは何時から放送しているのか詳しく知りません。
昼見たこともあるし、夜見たこともあります(「探偵ナイトスクープ」の反対です。「探偵ナイトスクープ」は、関東では深夜3時や4時に放送しているそうですから、それよりましですが)。
人気があるのは、どっちに転ぶかというスリル感や、勉強になるという要素があるからでしょう。
参加者は、「さあ、国宝級のお宝を見てくれ」とばかりにもってきますが、ほとんどが討ち死にです。
100万円の自己評価が2千円と出ると、スタジオや会場は、ワッハハハとなり、100万円が2000万円となると、ホッーとなります(骨董品が好きな知りあいの話では、銀河万丈が「それでは依頼品を見てみよう」と言ったあと、現物を中島誠之助たちが鑑定するのですが、「結果はCMの後で」の雰囲気で、丁と出るか半と出るかわかるようです)。
「他人の不幸は蜜の味」と言いますが、残念な結果になると同情してしまいます(高く売れると家を直すつもりだという人もいます)。
また、とてつもなく高額に鑑定されてもうらやましくなりません(競馬やパチンコといっしょで、総額を考えるとそう利益ではないでしょうし、坪一つに何百円も払う気持ちがよくわからないからです)。
それにしては、景徳鎮とか古伊万里とかはほとんどが偽物ですね。
それらを買った人を見ていますと、骨董屋にそそのかされたこともあるでしょうが、これは本物だという自分の審美眼を信じているようです。「こんなに美しいものは見たこともない」ということです(中島のように、「いい仕事をしている」と鑑定したのです)。
それでいいのではないでしょうか。これで一儲けしようと考えていないのです(骨董商は別の思惑があるでしょうが)。
つまり、人は本物を求めているのです。本物を見極める、本物を自分のものとするということは、自分も本物になるということでしょうか。
現代は、本物は少なくなり、偽物や代用品が幅を利かせる時代です。
大抵の人はそれを甘んじて受けいれています。費用や時間が節約できるだけでなく用途は変わらないという判断です。
しかし、本物にこだわる人もいるでしょう(「これだけは譲れない」ということで)。
ところで、天然のわさびを食べたことはありますか。辛味と甘味が同居していて、酒のあて(肴)には最高とのことです。
一度食べてみたいのですが、山深い清流のそばにしかないそうです。
市販されているのは、養殖とも言うべき「わさび田」で取れたものです。チューブのわさびは辛味大根で作ったものです(高級すし店以外で、たらこを頼むと、軍艦巻きの上にたらこのチューブを絞ります。今はたらこもいくらも化学製品です)。
どんな分野でも、とにかく本物しか出さないビジネスはどうですか。本物のためなら金に糸目をつけない人はいくらでもいます。信頼を勝ちとれば、景気にも左右されません。
不景気=安売り=ダンピングという発想を一度止めましょう。ビジネスは人の心で決まるのですから。