2ヵ月分!

   

今日も、ムーズが降りてきた~きみと漫才を~

「2ヵ月分!」
みんな散髪代はどれくらい使うている?少し聞いてみると、男のくせに美容院で5000円とか、散髪屋で4000円ぐらいとゆうエリート組はわずかで、大体1500円前後が多かった。
今は理容組合の力は弱くなったようやけど、昔はみんな組合に入っていたので、一つの料金しかなかった。
組合に入らない店がぼつぼつ出てきて、料金がばらばらになってきたけど、客は内情がわからへんので、そうゆう店に行くのは、なんや悪いことをしているような気がせえへんかったか。
そんなことになったのは、ぼくら若いもんが散髪屋に行かんようになったからやろ(ぼくも、就職するときは耳が見えるぐらいに短くしたが、社会に負けたような気がしたもんや)。
サラリーマンになって困ったのは、ほっておくと、髪が、サッカーの釜本(昔の。今は年相応に薄くなっているようやけど)のようになり、眉毛はフォークの高石ともやのようになることやった。
ようやく落ちついたのが、両サイドをバリカンで短くする「ダブルブロック」ゆうゆうやつや(最近は、「若い頭やけど、昔流行ったもんやで」とゆわれるけど満足している)。
しかも、1500円で、チラシの割引き券を使うと1300円ですむ(4枚の券の最初は1200円)。
ヘアスタイルは、人のアイディンティティの重要な要素のようで、横山やすしは週1回決まったとこに行っているとゆうていたけど、芸能人や政治家はそうなんやろな。
田中角栄が絶頂のときは、国会議事堂で散髪をしてもらっている写真が出ていたけど、その弟子の小沢一郎もケネディカットを守っている(うまく決まらんかったので、すぐに岩手に帰れなかったかもしれんな)。
ぼくらでも、顔がブサイクなのをヘアスタイルでカバーしようとする派(ぼくは、さらに若く見せようとするためにも)と、男前をヘアスタイルでさらにアップしようとする派に二分されるから、使う金に差が出るのやないか。
そうゆうわけで、ぼくは、ヘアスタイル、値段とも満足しているのやけど、チェーン店やから、スタッフがよう変わる。しかも、髪の毛担当、顔剃り担当がいる(さすがに髪の半分ゆうことははないけど、顔の半分をまたちがうもんがすることがある)。
長いこと通っているので、大体わかってもらっているけど、眉毛のことは、その都度確認している。
つまり、高石ともやの眉毛を修復してもらうために、「幅を短く、毛の長さも短くしてもらいたい」とゆうことを、誤解がないようにゆうとくのや。
それでなくても短いのに、長さを短くされたら、お稚児さんにみたいになってまうがな。
それが解決した!この前、隣の席にすわったおっさんが、「どれくらい切りましょか」と聞かれて、答えたがな、「2ヵ月分!」
これや!その簡潔性、明確性はどうや。「2ヶ月は来うへんで」と堂々と自己主張していて、寸分の誤解も入らないやないか(大概のもんは、「ちょっと短くして」とかゆうから、できあがったのを見て、長すぎる、短すぎると不満をもつのや。せっかくきれいにしてもらったのに、店を出たとたん、グシャグシャにしているもんをよう見た。散髪屋に対する抗議なんやろな)。
とにかく、これはすごいわ。ゆうのは少し恥ずかしいけどな。
ぼくは、相変わらず、「幅を短く・・・」ともっちゃり説明していたけど、ぼくの担当も、そのおっさんの言葉に影響を受けたか、「細くするのですね」と助けてくれた。
そうや、「眉毛を細くして」とゆえばいいのや。何でこんなことがゆえなかったのか(眉毛を細くするとゆうことは、瀕死のひまわりみたいにぐったりした毛をカットしてくれること含んでいるはずや)。
ぼくは、「2ヵ月分!」とは一生ようわんやろけど、これからは、「眉毛を細くして」と一発で意思を伝えられる。
ところで、原発事故で、国や東京電力は、マイクロシーベルトや、ミリシーベルトや、ベクレルやと発表するばかりやけど、一発で不安を解消する言葉がゆえへんもんか。
「健全性」とか「想定外」とか「神のみぞ知る」などと、風呂で屁ぃこいたようなことばっかりゆうていては、一発で国が滅びるで。今こそ短い言葉がいるときや。

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