「 シーラじいさん見聞録 」 一覧

そして、「子供がおびえてしまっているんだ」と後ろを振りかえった。 確かに母親らしい者のそばを離れず、おびえた目でオリオンを見ている子供たちがいた。しかも、全員が ...

オリオンは訓練所に戻った。 いつもだと、訓練生は、三々五々集って自分の意見を声高にしゃべっているものだが、今はちがった。 誰も、一言もしゃべらず、一人でぐるぐる ...

リゲルは近づいて、「シーラじいさん、オリオンが言ったようになりましたね」と言った。声をひそめているけれど、オリオンは、リゲルが今までないほど興奮しているのがわか ...

数日して、「海の中の海」に帰ると、第一門にいるサメの門番たちが、「全員広場に急げ。訓練生も訓練所に戻らずに直接広場に行け」と大きな声で叫んでいた。 オリオンも、 ...

その声に訓練生たちは一斉に応えた。 「さあ、がんばろう」 「いよいよ、おれたちの出番が来るぞ」 「海の男の勇気を見せてやろうじゃないか！」 大きな波があちこちか ...

訓練生があちこちに集って、大きな声でしゃべっていた。 オリオンは、近くにいた者に、「何かあったのか？」と声をかけた。 一人が振りかえって、「幹部が、やつらをおい ...

オリオンは、「ぼくが何かしたのですか」と不安そうに聞いた。そのとき、上官の友だちの娘とはいえ、「海の中の海」の者以外に、自分の任務についてしゃべったことが頭をよ ...

そのとき、リーダーが、もう時間がないんだとばかりに後を引きとった。 「見回り人はなるべく現場近くまで行って、慌てふためく者を見かけたら、墜落現場から反対のほうへ ...

訓練生が次々に帰ってきた。みんなあわてて上官がいる場所に向った。 しばらくして報告を終えてでてきた者はみんな興奮していた。 「おれは、クラーケンを見たぞ」と大声 ...

「リゲルじゃないか。どうしたんだ」オリオンは、親友を見て、思わず二人っきりのときのように声をかけた。 「オリオン、お帰り。上官が、訓練生が困っていないか見てこい ...