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復活ノート

「夢」
会社を倒産させたとき、今後どう生きていったらいいのか途方にくれましたが、社会や社員から(それなりの理由があったので)爪はじきされたにもかかわらず、一人だけついてきてくれましたので、すぐに今の事業をはじめることができました。
当時は、とにかく動いていれば何とかなるかもわからないし、ひょっとして、日本ではじめて在宅保育サービスや介護サービスを開拓したのだから、うちの社長になってくれませんかという声がかかるかもしれないと思ったものですが、そんな夢物語は起きるわけがありません。
わずかな資金もなくなってきたので、事業をしながら、宅配業者の倉庫で深夜バイトをしました。
「社会の吹きだまり」とは聞いていましたが、さすがに重労働で1か月に8キロ痩せました。
時給1000円でも続きそうにありませんでしたので、危険物取扱者の資格を取ってセルフの監視員になりました。これは極楽でしたが、睡眠不足で本業に支障が出てくるようになったので、2年ほどでやめて今に至るです。
そこも、資格を持っていて、しかも深夜できる者は不足していましたが、ある若い同僚は(学生でしたが)、「これで、景気がよくなればこんな仕事は誰もしませんよ」と言っていたものです。
今後景気がよくなるのかなあと思いましたが、就職で走りまわっている彼には何も言えませんでした。
それから、5,6年立ちましたが、景気は戻りつつあると言われていますがどうでしょう。
ただ、その学生の予測が当たったようにように思えるのは、牛丼屋などでは、時間給をいくら上げてもバイトが来なくなり、店を一時休まざるをえなくなったことです。
これは、大手の企業でもそうらしく、生産体制も変更せざるをえなくなったところもあります。
これは、バブルのときとはちょっと事情がちがうようです。
あのときは、規模を拡大するというよりも、企業に余裕があったので、よりよいバイトを確保するために高給を出したのです(だから、ファミレスには、若い人がいなくなり、ミニスカートをはいた40代、50代の女性が席を案内してくれたものです)。
最近は、たとえ時給1500円でも仕事量から考えたら安すぎる、しかも強盗に入られる危険もあると言うのです。
ブラック企業と言われる飲食店チェーンや世界的アパレルチェーンも同様です。
不況をいいことに、好き放題に若者を使ってきたツケがきたのです。
若いバイトは無尽蔵ではないし、いや、レアメタルに近づいてきていることがようやくわかってきたようで、今日(6月1日)のネットニュースでも、「ワタミは労働環境を見直すようになった」と出ています。
さて、復活をめざしている経営者のみなさん、今がチャンスです。大手が見直すと言ってもそうそう簡単にはいきません。それに体質があります。
しかも、時間給が高いほど人が来るのではないことがさらにはっきりしました。
人は、あなたの夢についてくるのです。つまり、あなたの夢を見ているのです。
さあ、がんばりましょう。