今こそ
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復活ノート
「今こそ」
地方の商店が、次々と店を閉めてしまって、シャッター街と言われるようにあって久しいです。
確かに地方の中核都市の駅前は、廃墟のようになっているところがあります。
郊外にできた道路沿いに大型スーパーやファミリーレストランが出店する上、車での移動が多いので、駅に人が集まることも少なくなったからです。
以前、さびれた商店街を、大人も子供も行きたくなる場所にするビジネスを提案したことがあります。
しかし、その後、地元の商店にとって、さらに追い討ちをかける事態が起こっています。
ご承知のようにサトウキビ、小麦粉、トウモロコシなどを燃料に回す結果、小麦粉などだけでなく、大豆も高騰しているからです。
これらを日本で作っていれば、まだ救われますが、ほとんど輸入に頼っているので、事態が致命的になっているのです。
今後、大型スーパーが、PB(プライベートブランド)の商品を増やしていけば、在来のメーカーも、利益率を減らしてでも、それに対抗せざるをえません。
その結果、そのしわよせが、弱小の商店に行くのです。
豆腐製造業も、どんどん減っていると聞きます。ていねいに作っても、1丁150円では、スーパーなどで売っている100円以下のものには対抗できません(現在保留されたようですが、「にがり」の規制問題もあります)。
弱小店は、廃業するか、原価を落として、味も落すかの決断を迫られるのです。
かくして、日本中、一つの味ものしかないという状態になっていくでしょう。どこにもない味を楽しむという食文化は望むべくもないのです。
今は、食文化より食料の確保だという意見もありますが、淋しいことです。
しかし、一部のケーキ屋やパン屋などには客が詰めかけています。全国チェーン店では出せないものには需要はあるのです。
一人では無理でしょう。豆腐屋でも、酒屋でも、中堅スーパーでも、その地方の商売人が集まって、地方という基盤の上で、知恵を出しあっていきませんか。
今は、メーカーも、大型スーパーも途方にくれています。
今こそ、復活のチャンスです。