人恋しさ

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復活ノート

「人恋しさ」
日本テレビの社員だった女性が、その業界では将来を決める分岐点である35才を機に会社を辞めて、落語を聞かす料理屋を開いているという話をネットで知りました。その人は、「人と人がふれあう場を作りたかった」と動機を話しています。
その女性は東大を卒業して日本テレビに就職したのですが、長い間、「笑点」を担当していたそうで、落語に人生をかけてみようと決断したのでしょうね(「大喜利」の回答そのものはすべて台本作家が作っていることはゲスト出演した関西の芸人がばらしていますが)。
私も、一人で食堂に行っても、すぐに誰かと話ができるようなサービスを提案したことがありますが、この店が一つの解答だったように思います。さすが東大卒のことがあると思います。
気楽にプロの落語家の人情噺を聞ける場所はそうないですね。チケットを買って劇場で大勢の観客と一緒に聞くのはどうもと言う人も多いでしょうから全国に常連客がいると言います(今テレビでは演芸番組はほとんどありません。「M―1」をはじめとして、懸賞目当ての番組があるだけです)。
これからは人手不足とコンピュータ技術が進んでIoTというものが支配していく社会になっていくのはまちがいありません。
IoTつまりInternet of Thing。物がコンピュータでつながるのです。冷蔵庫、レンジ、洗濯機、エアコンなどが単独で家にあるのではなく、全体で結びついて機能するのです(もちろん人間が操作するのですが)。
それはそれで便利な世の中になるのですが、なんとなく空しく思う人も多いでしょうね。
つまり「人恋しさ」なのです。「人間ですから」というわけです。
私たちの復活の隠し味に「人恋しさ」を入れましょう。最初に言った「落語が聞ける料理屋」は、「人恋しさ」そのもののような気がします。
ただ、それに似たビジネスは以前からありますが、私たちは、自分のビジネスに、「人恋しさ」を入れるのです。
最近アマゾンが「泣ける」CMを流しています。ただし、翌日に届く「プレミアム」会員を集めるためです。
「お試し」キャンペーンに乗ったら大変です(私はなるべくアマゾンで買わないようにしていますから、「お試し」を断るのに一苦労です)。
そうではなく、本業そのものに「人恋しさ」を入れる工夫をしてください。
私が考えたものは書きませんが、「人恋しさ」があれば、「落語が聞ける料理屋」のように、全国から足を運んでくれる(利用してくれる)客は増えるでしょう。