
客が見ている
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復活ノート
「客が見ている」
世界に誇る日本の大企業はどうしたのでしょうか。
日産やすずきなどの自動車メーカーあるいは神戸製鋼所や三菱マテリアルなどの材料メーカーの不正は何か焦りがあるのでしょうか。
とにかく早く納品するためには時間や人件費をを削る。製品にはまちがいないのだからというわけです。
特に自動車メーカーはまだ「燃費不正問題」でまだ信用をとりもどしていませんのに何をかいわんやです。
20年ほど前、三菱自動車の大型トレーナーのタイヤが外れ、家族を直撃する事故がありましたが、それを経験しても、「安全より利益」の体質は変わっていないようです(その時、当時の幹部が、「自動車を作るのは簡単なので油断してしまいました」と謝罪したことをおぼえています)。中国に抜かれるのは原因があったのです。
カリスマ的な創業者が経営して、日本の企業イメージを作ってきたのですが、そういう人は少なくて来ました。
つまり、サラリーマン社長が企業の舵取りをするのですが、歴代の社長が口をはさんで、組織を蝕むようになる恐れがあります。
そうなると、世界や社会の流れに対応できなくなり、その企業は沈没するしかありません。
IT企業や、ロボットなどのIoT企業が今元気なのは規模は小さくても、ほとんどの場合創業者が経営しているからです。
「小さいからできるのだ。1000人も社員がいてみろ」と言われるかもしれません。それと根幹の経営とは別物です。経営の流れを作るのは少数の者です。
小さい企業の活力を大企業の関係者が学べるかどうかでその企業の将来や日本経済を左右すると思うのですが、大企業の幹部の意識は国のお役人以上の「上から目線」から成りたっていますからなかなか変えることはできないかもしれません。
それはともかく今は復活をめざす私たちです。私は月に数回大阪、神戸、京都で食べ歩きをします。私は酒があれば何でもうまいと思うほうなので、「味おんち」ですが、一緒に行くスタッフ連中はそうはいきません(介護というより、お年よりの弁当を作るビジネスもしているので)。
店の雰囲気や店員の様子など、ミシュランガイドの審査員でも務まるようです。
そして、料理です。まあ、これが厳しいのです。
「料理を楽しんだら」と言っても、みんな注文を聞いてからの流れを感じています。
「魚のあら煮」が10分ぐらいで出てきたら失格です。また、レストランなどでは、厨房が客の前にある場合、パウチやカレーの缶詰などを開けているのが見えても失格です(若い女性に人気がある有名なレストランや、あるハンバーガー店でもよくやっています)。
私が言いたいのは、大企業であれ、一人で営業している個人会社であれ、「客が目の前にいる」ということを自覚せよということです。
これを忘れなかったら、大きな失敗はしないのです。自戒を込めて断言します。