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復活ノート

「花」
考えてみれば、世界的な経済破綻を引きおこした「リーマンショック」の原因は、サブプライムローンを代表とするデリバティブ商品です。
社会的に信用がない層が家を買うためのサブプライムローンは、いくらリスクを分散しても、不動産そのものの価値は一つですから、下がれば全体が下がるというものです。
だから、こういう金融商品は、いかにリスクを回避するかというよりも、いかに大量に売るかがテーマなのでしょう。
ちっぽけなイナゴの大群が、広大な畑を襲っているような光景をテレビで見ることがありますが、今の状況は、あのように見えます。
もっと考えてみれば、世界経済は、名もない庶民が動かしているのです。なんとなく愉快な気分がしないでもありません。
アメリカの自動車メーカーのビッグ3が倒産の危機に瀕しているのも、日本の自動車メーカーが大赤字に苦しんでいるのも、何千万円という高級車ではなく、いわゆる「下駄がわり」の車が売れなくなったからです。
ソニーの会長が、「生き抜くためになんでもやる」と言っていますが、アップルのiPodやiPhoneとの差を縮めるためには、かつて若者の心を席巻したウォークマンのような製品を作れるかどうかでしょう。
マクドナルドが増収増益であることは、ここでもよく話題にしていますが、庶民は、ファミレスにも行けなくなったのです。要するに、「外食行為」というパイの取りあいです。
ところで、「ふりかけ」がよく売れているようです。
最近は内食(うちしょく)とか中食(なかしょく)という言葉があるようですが、家でも、おかずの品数が減っているのでしょう。
私たち庶民の貧窮生活は、3,4年続くといわれています。スーパーも安売り合戦です。
ファミレスも、マクドに対抗できる商品やシステムを作らないかぎり生きのこれないでしょう。
今後は安いのは当たり前のことになります。そこに「花」があるかどうかが勝負です。
ユニクロは、900円のジーパンだけでなく、商品に「花」をつけています。これに、デパート、スーパーがついていけるかどうか見ものです。
「花」とは、初めてのレストラン、料亭に行ったときの「判定」の元のようなものです。
「もう一度行こう」あるいは、「二度と行かない」と自分で「判定」するのですが、魚の煮付けなどがあまりにも早く出てきたとか、これはここで作っていないなとかの料理そのものは当然として、店の「空気」にある「花」が「判定」に影響を与えます。
物を作っていても、「安かろう、よかろう」だけでは生きのこれません。
そこに「花」があるかどうかです。みんなあせっていますが、じっくり考えてください。