ふわっと浮く車

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復活ノート

「ふわっと浮く車」
大阪市長選挙のとき、市長候補の「独裁じゃないと政治はできない」という発言が、知識人を刺激したようで、多くの知識人が、当時の市長の応援に回りました。
しかし、地元の中小企業経営者は、「共産党の黒田府知事と、何もせんかった太田府知事のために、大阪はこんなことになった。今度こそ思いきったことをしてくれないと、大阪は、絶対東京に勝てない」という意見でしたので、今回の結果は当然だったのです。
ただ、府と市の二重行政を改め、民間に移行できるものを離していけば、経費削減になるでしょうが、年金が減ったり、消費税が上がったりするダメージがありますので、「大阪都」の「企業努力」が、「大阪都民」に実感できるかどうかは疑問です。
しかしながら、「大阪都」が実現すれば、「中京都」、「新潟州」などにむすびついていくでしょうから、日本は変わっていくかもしれません。
大阪市の現市長の人気は、貧困層の「うっぷん」でしかないという意見もありますが、歴史上、どんな革命も、市民の不満が起爆剤になったのですから、これがきっかけに、よりよい国になればと思います。
しかし、地方自治体の苦労を尻目に、国が今のままならば、日本は、「グローバル化」の波に飲まれてしまうかもしれません。
この不況は、単なる経済問題ではなく、政治の問題だという意見が出てきました。
経済のことは市場に任せようという「市場原理主義」が、経済を、檻を破った猛獣のように、野放図にしてしまったというのです。
そして、時間をかけて議論している間に、猛獣は、獲物がいそうなところを飛びまわっていますから、すべて手遅れになってしまうのです。
それなら、政治が、経済に規制をかければすむのでしょうが、世界とのつきあいがあって、そういうわけにはいかないと言われるでしょう。
アメリカやヨーロッパが破綻するまで待つしかないのかと思いますが、今ほど、世界を引っぱる政治家が求められる時代はありません(独裁者は困りますが)。
とにかく、重い時代が続くのですが、先日、ふわっと浮く夢を見ました。車輪がいらない車です。
地面を強い力で押している感覚がありました(無重力状態は経験したことないのですが)。前進のスイッチを押すと、すいすいと走りだしました。
実際、空を飛ぶ車は研究されているようですから、不可能ではないかもしれません。
そうなれば、道路がいりませんから、国の予算は他に回せます。また、自然は破壊されませんから、地球にやさしいのです。
人は、好んで田園に住むようになります。ビルの間より、山や丘の上を行くほうがいいに決まっていますから。
一つの国、一つの企業が、こそこそ研究するのではなく、世界が、全人間が、「ふわっと浮いて走る車」を作るのです。
自然も(温暖化が人間だけの責任とは言わなくとも)、文明も(政治や経済)、リミットが来ている時代を生きぬくことができるか、あるいは、恐竜のように絶滅するのか、いよいよ人間の正念場です。