
新しい組織よ、目覚めよ
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復活ノート
「新しい組織よ目ざめよ」
飛行機や船でも、美しい景色を見るために、乗客が一方に片寄ると、スタッフはあわてます。墜落や沈没の恐れが出てくるからです。
今回の震災や津波で引き起こされた結果は、そのようなものだと言えます。
今までは、大きな飛行機や船だったので、乗客がどんな行動を取ろうと、スタッフは、「ハッピーですか」と言っておればよかったのです。
特に日本ははしゃぎすぎていたかもしれませんが、先日のテレビで、景気のよいインドでも、貧富の格差がひどくなって、ゴミから食料をあさる人がいる一方、レストランでは大勢の人が食事を残すというのです(誰一人食事に手を出なない2000人のパーティもあるそうです)。
飽食や浪費の文明は終わりを告げつつあります(少なくとも、化石燃料に変わるものが発明されるまでは)。
前回、節電しか直接的な影響がない人々でも(関西にいれば、それさえも他人事に取ろうと思えば取れますが)、人生や生活に対する態度を見なおそうとするのでないかと言いました。
「新しい人よ目ざめよ」という大江健三郎の小説がありますが、「新しい人」が生まれつつあるのです。
社会も変わらざるをえないでしょうが、時間がかかります。一番遅れているのが企業などの組織だと思います。
不景気の上に、この震災では誰がやっても無理だという思いがある経営者はギブアップしたのも同然です。
また、なにくそという気構えがある経営者でも、自分の組織を見なおすことをお勧めします。「新しい人」にふさわしい組織を作るのです。その前に、自分の経営方針を考えなおすべきです。
介護関係の組織については、小学校のホームルーム状態だと何回もお話しましたが、その原因は、担任の教師がいないか、あるいは、いても見ぬふりするからです。
コンビニの「セブンイレブン」は、お弁当の割引販売をしているフランチャジーに対して、「節約などは他に任せたらいい」などと、フランチャイズからの離脱を勧告しているようです。
大企業、あるいはフランチャイズ商法という事情があるのでしょうが、あなたは、多分中小企業の経営者でしょうが、そういうことを露骨に出すようであれば、優秀な社員もついてこなくなる恐れがあります。
もちろん、バブルのときのように、時間給が10円でも高いほうに流れる傾向があるでしょうが(不景気だから、今のほうがその傾向が高いと思いますが)、あなたが変われば、しっかり経営を支えてくれる「新しい人」も根づいてくれるでしょう。
不景気だから、給与は安くてもいいと言っているのではありません。
あなたの経営方針を明確にし、公私をきっちり分けた評価に基づいた組織なら、社員は懸命に働いてくれるのです。
最後に、公私は評価だけでなく、感情にもあります。それは、私が失敗から得た教訓です。