イナバウアーあるいは人生について(2)
今日もムーズが降りてきた~きみと漫才を~
「イナバウアーあるいは人生について」(2)
前回は、日本のバレーボールやバスケットの選手は、世界的に見て平均身長の差はほとんどなくなってきた(しかし、世界には、ときどき飛びぬけて大きいのがいるけど)、せやから、なかなか勝てへんのは、技術やスピードちがうかとゆうた。
さらに、フィギャアスケートは、日本人のスタイルが変わってきたから、世界をリードするようになってきたんとちがうかともゆうた。
はっきりゆうと、渡辺絵美や伊藤みどりのスタイルが、日本古来のものやったやろ。秋田犬や馬の「どさんこ」みたいにゆうてもうたけど。しかも、渡辺絵美はヨーロッパの血が入っているらしいのに。
どこからか声が聞こえてきたで。「そんなことゆうけど、渡辺絵美は、全日本選手権で、8連覇している。伊藤みどりも、8連覇した上に、通算9回優勝していて、しかも、女子で始めて、公式戦でトリプルアクセルを成功させたんや。しかも、渡辺は、スケートがよう回るだけでなく、舌もよう回る。伊藤かって、足だけでなく舌も短いやんか」
とほほ。ここで笑ろたらええのんやろか。正月から、えらい話からはじめてもうた。とにかく、荒川静香や浅田真央は、戦後までなかったスタイルやなとゆいたかっただけや。
その伊藤が、「えらいさん」になって、フィギュアの解説をしているやろ。
「トリプルアクセル。うまく跳べましたよ。最初、うまくいくと調子に乗ってきますよ」
「さあ、トリプルサルコウ。完璧です」
「今度は、トリプルツゥーループ。あっ、ちょっと軸がぶれたようです」
「気を取りなおして、トリプルルッツ。あっ、どうしたんでしょう?練習ではうまくいっていたのに。スタミナが心配ですが、緊張を切らさないように」
「よし、イナバウワー。自分の得意なものは、絶対失敗しない。さすがです」
「最後はビールマンスピン。うまくいった!」
フィギャアぐらい規則や規定だらけのスポーツはない。緊張との戦いやな。人生は、フィギャアと比べたら、ものすごう長いけど、ここぞとゆうポイントは、一瞬や。つまり「緊張しい」にとっては、実力を出せずに、失敗することが多い。
そこで、伊藤みどりに、自分の人生を解説してもらっていると思うのも、新年にふさわしい(ちょっと聞きとりにくいてか。怒られるで)
「勉強をしないで、高校に入れたのですが、調子に乗っていると、えらい目にあいますよ」「ほら、案の定、浪人です。ようやく大学生になれたのに、学生運動を口実に勉強をしなかったから、人生を棒に振らなかったらいいのですが」
「さて結婚が転機になるでしょうか」
「おっと、事業がこけちゃいました!生来の怠け癖が出たようですね。ここで、緊張を切らさずに立ちなおれるか」
「子供も、本人のレベルから考えて、まあまあ育っています。『親がいても、子は育つ』ですかね?」
「『終わりよければ、すべてよし』を忘れずに生きていくことですね」
見られると緊張する性質(たち)は一生直らんやろから、いつも解説者がいると思う逆療法が役に立つかもわからん。
そうゆうわけで、今年も、テキトーにゆうて、強引に結論づける。「元旦と元日の違いをしらんやつが多い」てなことも入れてな。それでは、今年もよろしゅう。