古くて新しいビジネス(2)
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復活ノート
「古くて新しいビジネス」(2)
前回は、介護サービスがチャンスだと提案しました。ただし、介護保険は無視するという条件をつけました。
従来の施設はほとんどが苦しい経営状態です。だから、スタッフの報酬は低く抑えつけられていますので、不満が積もった組織にならざるをえないのです。その鬱憤が利用者に向けられます。
政府は、外国人を介護のほうにも働けるようにするそうですが、人員の確保と低賃金労働の押しつけという意図があるのです。
富裕層には、シニアマンションというのがありますが、数千万円から数億円の費用がかかり、さらに毎月の経費がかかります。
そんなのではなく、年金でまかなえる介護です。需要はあるのですから、何かあるはずですと提案しました。
今回は、その第二弾として、外食ビジネスです。
消費税増税後でも、売上げを伸ばしているファミレスがあります。料金が上がっても、みんなでおいしい料理を食べたいという主婦などの要望があるので、新たな料理やサービスを考えたからと言われています(漫然と料金を上げた店は予想通り減っているそうです)。
以前より、ファミレスは苦戦していると言われていましたが、その差はさらに大きくなると思われます。
その原因は消費税増税だけではありません。折り込みにファミレスの割引券がついていれば、年に数回行っていますが、行くたびに味が落ちています。
関西に点在している、あるハンバーグ屋は、大手チェーンに吸収されたからは、一押しのハンバーグは本部からのハンバーグだけになり、バイキングでお茶を濁しています。
有名な中華料理の全国チェーンは、料理にまったく花がなくなりました(今の経営状態が料理や店の雰囲気に出ることがよくわかりました)。
また、サラリーマンが上司や同僚のことを話し、「放浪」する旅人が羽を休める酒場が、家族連れの溜まり場に変わってしまいました(小さな子供が走りまわり、あるいは、小学生が「ハツちょうだい、塩で」と注文しています)。
サラリーマンにはサラリーマンの、旅人には旅人の、家族連れには家族連れの聖地があるのでしょう。
だから、食べもの屋を考えている経営者は、どういう人に来てもらいたいかだけを考えたらいいのです。
たとえば、OLなどの独身女性だけに来てもらいたいと思ったら、店の作り(こじんまりしているが、清潔でおしゃれ)や料理(健康へのこだわりだけでなく、デザートも大事)がおのずから決まります。
都会には無数の店があります。しかし、まだまだ入る余地はあります。大勢の人が、今日も、胃と心を満たす店を探しているのですから。