イタコ(2)

   

今日も、ムーズが降りてきた~きみと漫才を~
「イタコ」(2)
「地獄八景亡者戯(じごくばっけいもうじゃのたわむれ)」とゆう落語があるやろ。桂米朝が昔の噺を拾いあつめて大きな噺にした。
サバに当たった男が地獄へ行くのやけど、その男は途中で消え、やたけたな4人の男が地獄めぐりをする。
地獄の劇場には有名な役者の芝居などがかかっている。「近日来演」とゆう垂れ幕があるので、誰かいなと見ると、桂米朝と書いてある。「わし、もうすぐそっちへいくんかいな」と笑わす(最近、実生活では脳梗塞や骨折やと入院ばっかりしているから、そうならんように養生してほしいもんや)。
マイケルジャクソンは、「近日来演」が「公演決定」になってもうたけど、まず裁判や。
娑婆にいるときは、弁護士費用が何十億円とかかったそうやけど、今度は大丈夫や。
近々「ムーンウォーク」が見られそうやな(おまえどこにいるねんてか)。
これから、マイケルジャクソンを呼びだしてほしいもんがいっぱいいるやろから、イタコも忙しくなる。
中には、「ゾンビになって出たろか」とか、「消えろ!(ビート イット!)。こっちへ来たらえらい目に会わしたる。フォー」とゆわれるもんもいるやろ。
人の評価は、棺の蓋が閉まって決まるとかゆうけど、そんなん本人は気にしてるもんやろか。
せやけど、死んでから出てくるのは、「努力の人」の姿やな。
毎日練習、練習で(日本公演のときは、ホテルのじゅうたんが汗でじゅくじゅくやったらしい)、スタッフにも、「とにかく練習しろ。自信があっても練習しろ」とゆうていた。
「白人は嫌いや」ともゆうていたらしいな(それでか、大阪の公演が終って長いこと立つのに、鶴橋で自転車に乗っているマイケルを見たとゆうメールがFM802なんかに寄せられていた。天王寺あたりには、レゲエのおっさんが多いから、似ているだけやろと思うていたけど、ほんまもんやったかもわからんな)。
せやけど白人になりたかった(そのために鎮痛剤がかかせん体になった)。
ダンスのとき、よう下唇を噛んで挑発してたが、だれかに怒っていたんやろな。
ようするに、死んだもんの心にあることは、身近にいるもんでも永遠にわからんことがある。
まちがいなくゆえるのは、死ぬと肉体がなくなる。死んだもんを思いだそうとすると、死んだもんは、よっこらしょと体ができあがる(死んだ映画俳優が、映画の中で、笑ったり泣いたりするようにな)。せいぜい姿を作ったげ。喜ぶで。そのかわり、「あんたのこと気にして死んでいったんよ」などと、イタコやなくても、親戚のおばちゃんにゆわれるとうれしいもんや(ほんまはそんなことなかっても)。死んでも、生きているもんを動かせるんやな。

 -