道具

   

今日も、ムーズがやってきた~きみと漫才を~
「道具」
人間は、道具を使う動物やから、ホモサピエンスか。石で作った槍(やり)や鋤(すき)を持った人間の祖先の写真を、社会の教科書で見るけど、今は、身の回りのものを、道具ゆう認識がないなあ。
テレビや冷蔵庫など、ぼくの子供時代にはなかったもんが、今はどこでもある。テレビは、ぼくの地区(約100戸)の14番目やったこともおぼえている。ほんまにうれしかった。ある意味では、団塊の世代から上は、文明の目撃者といえるな。
若いころ、「兄ちゃん、電話どう使うのん」と、町で、どこかのおばあちゃんに聞かれたことある。ぼくも、田舎から出てきたところやから、先にお金を入れるのか、ダイヤルを回すのか、ちょっと迷ったわ。最近のIC電話は、自信がないなあ。
ぼくらは、「取説(とりせつ)」を読まんと落ち着かんし、道具にギクシャクするのは、生まれたとき、電化製品がなかった者の「性(さが)」やろか。
ぼくの父親は、病院におるけど、ケータイをかけてくるけど、こっちからかけても通じへん。この前調べたら、話がすむと、いつも電源切ってるねん。そのくせ、誰も電話かけてこんゆうて怒ってるわ。
ホテルなんかのトイレに行くと、小便器で、構えると、ジャーと、さっき水が流れるやつがある。ものすごく気ぃ悪いわ。そんなにきたないんか(そうやけど)!
自動販売機で、お金を入れて、おつりとっても、まだチャリンゆうから、やったあと思って、もう一度、手ぇ入れると、機械の奥で、コインが落ちてんねん。恥ずかしいわ。
アメリカにも、ものすごう気ぃ悪うしたおっさんがいて、パソコンがゆうこと聞かんへんゆうて、ピストルで、撃ってもうた。ピストルの所持許可証を持ってへんかったから、逮捕や。
電車を乗り越したとき、切符を清算機に入れるけど、あれ、駅員に現金渡したらあかんの?
要するに、機械とゆう道具に気ぃ悪うしたり、腹立てたりしたら、としよりゆうこっちゃな。なにげなくゆうことができへん。
ぼくは、めずらしもん好きと仕事で必要やから、出始めの4,50キロあるワープロや、レンガほどある充電器のショルダーホン持ってたけど、えらい変わりようや。
そうやって、なべやかまから、テレビ、パソコン、車、車ほどの金をかけた「かつら」(?)までいれて、一軒の家で、10万以上の道具があふれることになったんや。
あとは、アリナミンの広告で、「丸ちゃん」が乗っているような個人ロケットができたら、もうなんにもいらん。
せやけどなー。みんな、ロボットみたいになったら、「嫌い嫌いは、好きのうち」ゆうような心の影が見えんようにならへんか(子供の読解力が、あかんようになったのは、もう、その兆候が出ているような気がする)。ぼくは、あちこちでゆうてるけど、「個室」、「個食」の次は、「個話」になるわけや。そうなったら、社会や近所はいらん、家族はいらん、ついでに、自分もいらんようになったら、人間は、どうなるんやろ。

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