チョンボ

   

今日も、ムーズが降りてきた~きみと漫才を~

「チョンボ」
「塞翁が馬」とゆう故事があるやろ。「人間万事塞翁が馬」ともゆうな(「にんげん」ではく「じんかん」=世間と読むけど)。
塞翁とゆうじいさん(=北の方にいたじいさん)の馬が逃げて、近所の人が、「気の毒なことやなあ」と慰めたけど、「ええことが起きるかもわからんで」と答えた。その馬がぎょうさん馬を連れてかえってきた。今度は、「悪いことが起きるかわわからん」とゆうた。
案の定、今度は息子が馬から落ちてけがをした。せやけど、「ええことが起きるかもわからん」とゆうた。戦争が始まったけど、息子は兵隊にいかんでよかったとゆうことや。
人生にはええこと、悪いことが次々起こるとゆうことやな。
その次をぼくが考えたろ。近所にベッピンがいたけど、その本命が戦死して、息子がベッピンを嫁にした。喜んでいたら、その嫁がぐうたらで家のことをまったくせえへん。夫婦喧嘩でその嫁を殺してしもうた。牢屋に入ると、有力な政治家と懇意になり、牢屋を出てから、政治家になった。せやけど、賄賂をもらったので・・・。
どこまで続くねんとゆうことやけど、塞翁じいさんは、占い師とゆうことらしいから、近所のもんに、営業口調でゆうたんやろか(「お宅の庭に大きな松の木があるやろ?」、「いいえ、ありません」、「よかった。あったらたいへんなことになっていたわ」とゆうやつ)。
確かに、世の中、ええことが起きると、それ以上ええこと起きるのはめったにない(悪いことが起きると、さらに悪いことが起きるような気がするけど)。
去年やったか宝くじが当たって殺された人がいたなあ。また、遺産相続には揉め事がつきもんや。葬儀会館に勤めている人と話をしていたら、お通夜の晩、親戚同士が殴りあいをはじめて、一人が階段から落ちて救急車を呼んだとゆうていた(話はちがうけど、「やくざの葬式と警察の葬式の区別はつかんとゆうていた)。
なんでこんな話になったかとゆうと、最近二人の芸能人が謝罪会見をしたからや。
アイドルは、「破滅型」とゆうより「ネクラ型」のようやな。一番売れているグループの一員やから、取巻きがいっぱいいると思うたけどな。
松本人志なんかも、ネクラっぽいけど、若手と飲んで、「すべらん話やってみい」とかゆうているようやし、昔やったら、映画スターは、毎晩弟子何十人と連れて、祇園なんかに行いっていた。
「今日のソラマメはなかなかよかったな」
「センセ、ソラマメってなんですか」
「何にも知らんなあ、おまえは。空のマメでソラマメや。スッチャデスのことや。もっとも、馬には乗ってみろ、女にも乗ってみろとゆうがな。ゆわんか。ワッハハハ」てなもんや(誰や実名を上げると遺族に謝罪せんとあかんからこれくらいで)。
大体こんなことでつかまえるほうがおかしい。今日(きょうび)のことやから、クスリで上げたろと思うたんやろ(あれは表彰されるからな)。
ぼくも、20代のときはむちゃ飲みしていて、真夏に、南森町の1号線沿いで寝ていて、新築の曽根崎署のトラ箱入り第一号になったけどな。
もう一人の芸人の謝罪は、世間ゆうより、宗教団体に対する謝罪やな。
このままやったら、他の所属芸人に影響が出るぞと脅されたらしく、社長のビビること、ビビること(誰かに仲裁頼んだんやろ)。
本人は、年老いた母親(「母一人子一人」は昔から本人がようゆうていた)、無収入などをキーワードにしていたが、お宅らも宗教団体なら、これくらいで勘弁してええなあとゆうことやろ(その番組のテープを聴いたけど、どっちゅうことなかった。ラジオ局は、あわてて「お詫び」をしていたけど)。
とにかく、二人とも、「あほくさ。やめたらー」と尻まくらんと、「謝罪」したから、芸能界に未練があるのやろな。
アイドルは、芸能界で「オンリーワン」になりたいのやろか。芸人の方は、やしきたかじんをめざしているかもしれん(せやけど、復帰してもこっちの方がダメージは大きいような気がする)。
せけけど、美川憲一や井上陽水など、大麻事件で何十人も捕まったけど、みんなNHKのお気に入りや。まあ、ちょっとのシンボーや。
ところで、いろいろ変るのは、人間(じんかん)=世間の中でや。
性格も、それによる言動も変らんもんや。30半ばで「ぼくは大人になりたいです」ゆうアイドルも、世の中を切ってみせる芸人も、その原因は、今にはじまったことではない。
それなら、しゃあないと思うことや。チョンボとゆう馬が、ええもんつれてくるかもわからん。
せやけど、これが厄介や。ぼくも、今年長女と次女の結婚があるけど、あのとき、あんなことせんかったら、世間がびっくりすぎるぐらいの結婚式をやったったのに思うことがある。先月結婚式を挙げた長女はしあわせそうやった。そんなこと考えるのは親の見栄やろとも思うしな。
「ところで、謝罪したお二人さん、ぼく、復活コンサルタントをしていますけど、なんでしたら相談に乗りまひょか。安うしときますよ」

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