流れ

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復活ノート

「流れ」
高校生や大学生が炎天下会社訪問を繰りかえしているというのに、サラリーマンがいつ解雇を言いわたされるかひやひやしているというのに、子供が自動車販売会社の店長になり、野良猫が私鉄の駅長になっています。
そのコマーシャルで、他社の車ではなく、「子供店長」の車を選んだ消費者がいるでしょうし、実際、「駅長のたま」を見たさに、全国から人が来るそうです。
フランスからも取材があったということですから、一人「旭山動物園」状態になっていますから、子供や猫といっても、営業的には会社に大きく貢献しています。
昨日(8月14日)の朝日新聞には、会社の倒産などで住宅ローンを返済できなく、泣く泣くマイホームを手放す人が増えているという記事がありました(銀行側は、企業への貸す金が余ってきているので、家という担保がある住宅ローンを強引に組ませた結果だというのです)。
そして、その横には、「ゴルファー専用の下着」が各社から続々発売されるという記事です。この下着をつければ、ダフったり、OBを打ったりしなくなって、プロに近づけるというのです。
今後、その住宅を競売で買った企業は、相当の利幅をつけて売りでしょうし(家を手放した人は、売れた金額とローンの残額との差を払いつづけていかなければなりませんが)、石川僚を目指すゴルファーの支持を得るために(競合他社に勝つために)さらに高品質の「ゴルファー専用の下着」に着手することでしょう。
事業は流れですから、いかに流れに乗っていくかだけです(高速道路を走るようなもので、流れが時速100キロなら、その速度に合わすと心地よく走れます)。
流れを作るためには、その速度を上回るか、あるいは下回りかしなければなりません(あるいは一人他の道を行く)。
今は、自分で流れを作る勇気がなくて、流れに乗ろう、乗ろうとしている人が多いように思われます。
子供たちと飲むために大阪に行ったときに、天満市場近辺を見てきました(最近テレビのグルメ番組でよく出ています)。
あのあたりはよく知っていますが、10年ほど前までは午後8時を過ぎると人も歩かないという場所でしたが、テレビで見たとおり、撤退した店などを使って、「屋台街」となっていました。
東京から来た長女の婿が、「外国に来たようですね~」と妙に感激していました。
それは私も同じ意見で、台湾や香港のナイトマーケットさながらです。
「ははあ、これが、高級ワインを出して、月商500万円になる店か」と言うと、長女が、「しかも、ワインは利益率が高いからね」と業界通らしく口を挟みます。
誰かが、大きな流れから外れて、自分の流れを作ると、大勢の者がそれについてきたということでしょう。
100人ぐらいの客でにぎわう店もあると思えば、少し淋しい店もあります。
OLなどの女性客が目につきます。大きな声でしゃべって楽しそうです。
「馬鹿らしくて酒を飲まないとやっていけない」ということでしょうか。
流れに乗れない店は、本場の屋台のように、「家族連れでくる屋台」という流れを作ってみたら。深刻な家庭問題に大きく貢献できるかもしれません。
私たちも、若者に負けないようにがんばりましょう。