見る(3)

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復活ノート

「見る」(3)
ビジネスの社会的ニュースが、次から次へと出てきます。
復活をめざす私たちにとっては、生きた教材に困りません。
人間の世界で、似たようなことが起きるのは、みんな似たような心を持っているからでしょう。
今、会社更生法を申請している英会話学校の財務コンサルタントは、一時期私の会社のコンサンルタントをしていましたので、その社長はいかにすごいか聞かされたものです。
その学校と、チーズケーキで有名な会社、そして、私の会社が、新興ビジネスとしては、大阪で一番伸びていると、大阪府の経済部にいわれたことがあります。
私の会社が、一番規模が小さかったのですが、一番早く沈没した次第です。
チーズケーキ会社の店は、今でも客が行列していますが、英会話学校は、報道されているとおりの規模まで成長しましたから、資金繰りはたいへんだったことでしょう(100分一の規模の私の会社でも、今死んだらどれほど楽だろうかと思ったことがありますから、その社長の辛さは想像できません)。
それでも、敗因は似ているところもありますから、整理しておきましょう。
「このビジネスは自分が考えた」という意識が強いので、まわりの者は口出しができない組織だったようです(私も、在宅介護サービスは、自分が考案・企業化したと公言していますが)。
しかも、ジャスダックに上場していたので、前年以上の売上げを上げなければならないということが脅迫観念になり、教室(営業所)を増やす拡張政策に歯止めがかからなくなったのでしょう。
運転資金が不足しだしても、わが子のような会社を、他人に渡してなるものかという思いが強かったことが、すべてが後手になった原因です。
私は、何もかも失い、5千万円の借金だけが残りましたが、あの社長が、自分が判子を押してないことを祈るのみです(ただし、10月28日の新聞では、自社株の操作が行われているようですが)。
社長は、所在不明ということですが、自ら命を絶つようなことはせず、復活をめざしてほしいものです。
復活をめざす者としては先輩である私も、5年立っても、まだまだ精神的に落ちつきません。
先日も、おとしよりの家に、弁当を配達に行ったとき、ちょうど*スキンのチラシを配っている若者が、その家の家族と勘違いしたようなので、事情を説明すると、なんともいやな顔をしました。
自分はこう見られているのかという「負け犬根性」が時々顔を出しますが、この5年の間に、自分を見つめなおしてきたことは、「不幸中の幸い」でした。
あのまま、会社を大きくすることばかりに時間と労力を費やしていたなら、むなしい人生で終わっていたかもしれません。
しかも、両親の最後を「世間並み」に看取ることができたのもよかったと思います。
社会的な事件を起こすのは、みんなオーナー社長ですが、それは自分の蓄財のためというより、給与や経費を払うために、不正をしてしまうという面もあります。
私たちは、自分を見つめなおし、自分の人生観に立った復活をめざしましょう。