町工場ビジネス

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復活ノート

「町工場ビジネス」
日本の電機メーカーが、軒並み大赤字となってしまいました。
リーマンショック、震災、タイの洪水、ヨーロッパの信用不安などが原因とされていますが、それらはきっかけになったにすぎないと思います。
以前より、韓国や中国メーカーの追い上げが言われていましたが、性能、デザイン、価格などで日本に追いつき、パイが小さくなったことで、日本は抜かれたからです。
日本のケータイは、「ガラパゴス」と言われています。独自に発達した市場を指すようですが、世界のスタンダードなど眼中になく、「世界は、おれたちについてこい」という態度だったのです。
しかし、世界のスタンダードができると、日本のメーカーはそれに合わさざるをえなくなり、その間に、他国のメーカーが伸びてきたのです。
栄枯盛衰は世の習いです。自動車も、世界を席巻して、アメリカやヨーロッパに、「車作りは日本に任せておこう」と言わしめてことがあるわけですから。
しかし、自動車産業も、アメリカや韓国のメーカーが追いあげているそうですから、日本の産業は、正念場といえば正念場です。
日本は、ガラパゴスにいるゾウガメに似て、急激な動きには弱いような気がします。
昔、飛ぶ鳥落とす勢いのスーパーダイエーが、天下のナショナルと戦争をしたことがあります。割引が原因ですが、和解まで30年かかりました。
結果としては、世論の後押しがあったので、ダイエーの言い分が通ったのですが、世の中が、商品の金額を決めるということがはっきりしました。
それ以後、全国チェーンの電気店や通販へと流れができたように思います。そして、今は世界という世論です。
このままでは、社会的に大きな影響が出ます。雇用や下請け会社にこれ以上の痛手が出てくれば、日本はどうなっていくのかと心配になってきます。
しかし、日本には最後の砦が残っています。東京都大田区や大阪府東大阪市などの「町工場」です。ここには、大企業からの無理難題に鍛えられた技術があります。
「夢の扉」というテレビ番組があります(これはTBSですが、他のテレビ局にも、似た内容の番組があります)。
新しいものや技術を作る大学教授や技術者の奮戦記ですが、夢に共鳴した全国の町工場がなければ、夢は実現しないと思われます。
それなのに、今は、発注元の大企業の腰が引けて、冒険をしなくなっています。
町工場の技術の研鑽や伝授がなくなると、日本は「一巻の終わり」になるかもしれません。
「大企業より町工場」を合言葉に、再生を図るほかないのです。
町工場の技術を集約して、国内や世界に、その技術をアピールするだけでなく、社会に向けて、これこれを作ってはどうかという提案をするビジネスはどうですか。
今までの文明がデッドロックに乗りあげているのです。「町工場は世界を救う」です。