一つ

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復活ノート

「一つ」
そのパン屋は、神戸市北区淡河町(おごちょう)にありました。
中国道西宮北からも、私がいるベッドドタウンからも車で30分ぐらいです。
神戸市といっても、田植えが終った田んぼが広がる田園地帯を越え、さらに山間に入ります。
その店の屋号は「パン工房ログ」です。店のホームページはないようですが、その店についての感想や写真などのブログがありますから、「神戸市北区淡河町・パン工房ログ」で調べてください。
営業時間は午前10時から午後7時となっていますが、「売り切れごめん」で、店を閉めるということです。
予約をしていましたので、隣のログハウスの自宅を訪ねて、50すぎの奥さんから、酵母パンを260円なりでいただきました(屋号もここから来ているようですが、ご主人の父親がログハウスの事業をしていると、私の知りあいから聞きましたが)。
奥さんは、「いつもは、午後4時ごろまでやっているのですが、今日は忙しくて昼過ぎで終りました」と恐縮されていましたが、無理はしないという考えのようです。
「メニューはありますか」と聞きますと、「今度作っておきます」とのことです。
向こうもお休みされていましたので、それ以上詳しいことは聞けませんでしたが、昨年暮れにオープンしたのに、知名度は一気についたようです。
これが、初めて店をもちたい若者の参考になるかどうかはわかりませんが、街中にいても、裏通りだからという言いわけはしないでがんばってもらいたいものです。
他が真似のできない、つまり「創業者利得」(株式用語ではなく、「この料理ならここ」というイメージ)のある料理やその出し方を意識することとアドバイスしました。
不況のあおりで外食産業はどこも苦戦していますが、ロイヤルホストの88円サラダがよく売れているとマスコミに取りあげられていましたように、健康志向は、どう切っていくかがポイントです。
そこで、有機野菜や有名ブランドの肉のルートはいつでも紹介すると言っておきました。あとは本人次第です。
逆に気力のない会社や店はすぐにわかります。投げやりな雰囲気の会社、味が落ちた料理屋は、第三者からすぐに感じられます。
個人もすぐにわかります。全国からメールやファックス、手紙をいただきますが、最近、ある経営者から、「自己破産をして、もうすぐ家も出て行かなくてはならない。債権者に雇ってもらったが、仕事がおぼえられないのでもうすぐクビなる」という連絡を受けました。
その人には、「まず債権者に雇ってもらえた幸せを考えてください」と返事をしました。
一つの商品のように、一つのことで光明を見出すことはできないものでしょうか。