話相手ビジネス

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復活ノート

「話相手ビジネス」
私も、どうにか還暦を迎えることができ、年金が入るということで、今週社会保険事務所に行ってきます。
満額は65才からだそうですが、25才から、「事業をせざる者 人にあらず」という思いで働きづめで仕事をしてきましたので
(今頃になって、これは半分正しくないということがわかりましたが)、少しぐらいもらっても罰が当たらないだろうと思っています。
満額でなくても、今の状況ではうれしいです。これで親の墓を立てられそうなのでほっとしているしだいです。
おとしよりは、「年金生活なので生活が苦しい」などと言いますが、家賃がなければ、これほど恵まれたことはありません(ただ、国民年金の場合は、そういうわけにはいかないでしょうが)。
ところで、介護コンサルタントの会社をしていますので、多くのおとしよりを知っていますが、日頃は、寡黙なのに、何かのきっかけで速射砲のようにしゃべる人がいます。
その人の家族や親戚について知る由もありませんが(しかも、何十年も前のことです)、
こちらがうなずくだけで、顔がはればれしてきます(そのかわり、3時間は聞かなければなりませんが)。
学校などで、何か大惨事があると、心理カウンセラーが派遣されますが、生徒の話を聞くことによって、心の重荷を少なくするのでしょう。
叔母と話をしていると、寝たきりなどにはなりたくないが、夫や子供に先立たれているので、元気でも仕方がないということがあります。
「まあ、そう言わずに」としか返事ができません。
そういう状況が、振り込め詐欺やリフォーム詐欺の下地なのかもしれません。
今日の朝日新聞(7月11日)の朝刊に、「寺よ、変われ」という本を書いた坊さんのことが載っていました。
坊さんは、寺はもっと世の中の「苦」にぶつかっていかなければならないと言っていますが、一人で生きていくことも「苦」と感じている人も多いのです。
また、同じ新聞に、吉沢久子というなつかしい生活評論家の話が載っていました。
1人暮らしは、人間関係という貯蓄があるかどうかで決まると言っています。
誰も助けてくれず、人という貯蓄もない人が大勢います。
心の重荷を取るビジネスはいかがですか。長年積みかさなった思いを、「確かに聞きましたよ」と確認するのです。
ただし、生半可なことではできません。奈良の布団たたきのおばさんも、箕面のカラス屋敷のおばあさんも、心の重荷をどうしたらいいかわからなかったのです。
病気が生きがいは淋しいものです。