エネルギー

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復活ノート

「エネルギー」
景気がなかなか回復しないので、企業では、昼食時に電気を消したり、ボールペンを減らしたりするニュースが流れることがあります。
ある程度パフォーマンス的な要素があるでしょうが、出張を日帰りにするのは恒常的になっています。
また、先日、ある企業の人事担当者と話をしました。その企業は24時間営業をしていて、スタッフはある国家資格を持たなければなりません。
以前から「人が足りない、人が足りない」という声を聞いていたので、求人広告の効果を聞いたのです。
「ありましたよ。3名と面接をするようになっていますが、今組織替えをしているので少し待ってもらっています」とのことでした。
私が求人広告を見てから10日以上立っていました。なんともったいないことでしょう。
光熱費や出張費などは数字を見ればあきらかですが、広告費、特に求人広告費は応募が悪い場合もあるので、その無駄が表に出てこないこともあります。
もっとも出にくいのが組織のエネルギーの無駄です。
組織は一人一人の能力や意志を集め、一つの方向に導くものだと思うですが、売りあげなどに出てくる場合は、歩合などのインセンティブでエネルギーを引きだしています。
しかし、そうでない組織では、大きなエネルギーが失われています。
何回も取りあげましたが、その典型的な組織は介護施設です。
話を聞いていると、組織の体(てい)をなしていないような感があります。
どこかの看護師が患者の爪をはいだとか、肋骨を折ったとかいうようなことはありませんが(あるヘルパーが部屋に入ると、いつもバシバシという音が聞こえるということはよくあります)、チームワークのことです。
ある施設の男性の主任は、自分が結婚するに当たって(新婚旅行もあります)、出席者を選ぶときに、子供がいるヘルパーに週2,3回泊まりをさせたりとか、仕事に復帰しても、土・日は必ず休むようにしているとか不満たらたらです。
以前より嫌いなヘルパーには、子供に熱が出た場合にも休むことを認めなかったそうです。
なぜ主任を変えないのかと思いますが、主任の上司は本体の大病院の看護師長をしていて、主任を気に入っているからだそうです。
別の上司も、どこかの役所上がりだそうで、そういうことには口を挟まないとのことです。
それがどこまで真実なのかわかりませんが、不満が充満しているのはまちがいありません。
それが、負のエネルギーとなって、利用者と言われるおとしよりに向っていきます。
おとしよりから「あのおねえちゃんはこわい」ということをよく聞かされます。
どこの施設も、何百人と待機していますから、スタッフのことなど気にならないようです。
組織をエネルギーという観点から考えてください。
給料が上がらないので生活の展望が見にくいが、しかし、そのことにはある程度納得している社員のエネルギーをどう維持して、将来それにどう応えていくかが経営者の姿勢です。
もちろん、自分のエネルギーも枯渇しないようにしてください。