悪魔は、二度ベルを鳴らす

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復活ノート

「悪魔は、二度ベルを鳴らす」
「商売の神様」がいた時代には、その神様と同じ人生を送れば、成功するかもしれないと思われていました。
それで、松下幸之助や本田宗一郎などの本が、いつもベストセラーとなったのです。
しかし、神様といえども、数々の失敗をするのですが、神様は、その都度、それを乗りこえてきたからこそ、神様になったのでしょう。
トルストイは、「アンナ・カレーニナ」で、「幸福な家庭はみな同じように似ているが、不幸は、それぞれちがうものだ」と書いていますが、神様が、幸福=成功だけをしているものなら、真似をすればいいのですが、失敗もするものですから、話は厄介なのです。
不幸=失敗がさまざまだからです。
経営とは、どう失敗を乗りこえるかだと言っても過言ではありません。
さて、私たちのように、すでに失敗をしてしまったものは、そこから、何かをつかんで復活をしようとしているのですが、それは、もう二度と失敗をしないためです。
政治を見ると、古くは安保から、最近は、原発、TPPまで、国を二分するような問題が立ちふさがりますが、それをどう乗りこえるかが、政治家の優劣になるのでしょう。
ドライに言えば、TPPでも何でも、もし失敗だとなれば、やめることもできます(安保だって、中国を押さえこむためには、アメリカにとっても必要なのですから、対等の主張をすればいいのです)。
もし、「や~めた」となれば、関係国は怒るでしょうし、信頼できない国と烙印を押されるでしょうが、国民を守るためということであれば、国民の支持は揺らぎません。
しかも、政治家は、失敗しても、自分の財産をなくすこともありません。
私たちは、そういうわけにはいきません。失敗すると、無一文になるのです。
失敗学などというものがありますが、実際は、失敗してはいけないのです。
何かの決断をすると、悪魔が、楽観しすぎる考え、詰めの甘さなどに、「失敗の種子」をまくのだと思ってください。
それは、「油断」という栄養があれば一気に育ちます。つまり、悪魔は、二度ベルを鳴らします。
「郵便配達は二度ベルを鳴らす」というスリラー小説では、郵便配達は、全く出てきませんが、わたしたちの経営には、まちがいなく悪魔が出てきます。
経営に死角がないか考える習慣をつけてください。資金の面でも、人事の面でも、必ず役に立つときがあります。
家業を継いで、「社長でござい」という経営者に絶対負けるものかとがんばってきましたが、つい、自分ほど才能がある経営者はいないと思ってしまったのが、悪魔の花だったように思います。