当地

   

今日も、ムーズが降りてきた~きみと漫才を~

「当地」
「当地では、まだ彼岸花が咲いていません。どうしたのでしょう。猛暑が原因だとのことですが、こんなことははじめてです。
 土手や畦道に真っ赤に咲く彼岸花が涼しい風に吹かれているのを見ると、ようやく秋が来たと実感します。
もう稲刈りもすみ、どこからか秋祭りの太鼓の音が響いているのに、何かなんだか物足りない気がします。そして心配にもなります。
ただ、子供にとっては、彼岸花との思い出は、アサガオやコスモスとはちがうものがあります。
『あれをもってかえることはならぬ。もし火事にでもなれば近所に迷惑をかける』などと言われるのですから、それだけはきつく守ったものです。
家のために、地域のためにという正義感から、一面に咲く彼岸花を棒切れで切りたおしていったことさえあります。
しかし、そこには古人の知恵があるようです。彼岸花には毒があるので、子供が誤って口にしないように、また、その毒ゆえに墓地などでは防虫のために植えられていたので、子供を遠ざけたかったのでしょう。
奈良の明日香村では10万本の彼岸花が咲いているとの新聞記事と写真を見ました。
やはり、そこでも猛暑のために1週間ほど遅かったようですが、当地では、10月3日現在でも1本の彼岸花も咲いていません。
近所のおとしよりと、そのことで話をしたのですが、『暑いときに出てこないのは人間より賢い。また魚も、暑さを避けて北上していると聞く。自然界では無理をしないことが一番だ」と納得しました。
ただし、人間の場合は、そんなことをすれば食べていけないし、ましてや涼しい場所に無断で入れば、不法侵入でたいへんなことになります。
国家というものは不自由なものになりつつあるようです。まるで毎年大きくなる子供が、去年の服が小さくなるようなものでしょうか」

そのためか国土をどんどん広げようとする国から手紙が来た。
「当地は戦勝気分一色です。小生意気な小国日本に勝ったという喜びが人々の心を包んでいます。
ピースサインをした船長の母親のように、このまま勢いに乗って日本に原爆を落とせと煽る人がいます。
いや、そんなことをする必要はない、日本から電子機器や化粧品を買わず、こちらからレアアースなどの資源も売らず、そして、石油を日本より高く買えば、日本など1ヵ月ほどで滅びるのだからという人もいます。
しかし、大半の人は、冷静に『陸や海は、今誰のものかというものではなく、これから自分たちがほしいか否かのものだ』と考えています。ベトナムやインドネシアでの行動が、そう確信させたのです。
アメリカなどが非難しようとも、それはお互い様だ、おまえたちも、先住民を追いだして国を作ってきたじゃないか。しかも、こちらは4000年の歴史があるのだから、その間貸していたものを、利子などなしで返してもらっているだけじゃないかという言い分です。
ヨーロッパや日本に侵略された歴史があるから神経質になるのはわかるが、21世紀にもなって、しかも世界第2位の経済大国になったのだから、もう少し振る舞いに気をつけたらという意見もあるのですが、その声は消されがちです」

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