喜怒哀楽

   

今日も、ムーズが降りてきた~きみと漫才を~

 

「喜怒哀楽」

♪おや キャリーバッグがごそごそしてる♪

♪きゃりーぱみゅぱみゅが出てきたよ♪

♪暑くて「つけま」が取れそうだ♪

てなことで、最近、テレビでよう見た、あのキャリーバッグ、便利そうやな。手でもってよし、肩からさげてもよし、もちろん引っぱってもよし。それに、軽そうやし、値段も5000円前後やて。もう犯人とまちがわれることないもんな。

買おか。せやけど、今のところどこにも行く予定はないから(カナダ横断列車の旅には行きたいけど)、辛抱しとこか。

キャリーバッグに入れるもんはないけど、心は、いろんなものでぱんぱんや。誰の心もそうやろけど、ぼくのはとりわけ水っぽいような気がする。

この前、通帳の整理をしてな。事業をしていたから、3,40冊の通帳があったけど、裁判所に召しあげられたので、個人のが少し残っているぐらいや。

大事なんは女房がもっているけど、ぼくのは数冊で、もういらんやろと思うて一冊もって銀行に行ったわけや。

案の定、休眠口座になっていて、このままでは解約でけんそうや。まず本人確認して、新しい通帳を作ってからとゆう順番らしい。

その時、銀行員が、「スイミン口座ですね」とゆうた。睡眠やのうて休眠やろと思うたけど、ぼくは、「スイミング口座」と取った。そうやな、ぼくとともに、世の荒波を乗りこえてきたからなと納得した。

手続きの間、走馬灯が燃えるぐらい、いろんなことが浮かんだ。

大学を出て、2年間サラリーマンをした。初めてキャッシュカードなるもんを作ってうれしかった(銀行員は、「暗唱番号は、忘れないように自分の誕生日にしてください」とゆうていた。昭和40年代は平和やったんやな)。

事業をはじめて、最初は失業手当が入った(ほんまはあかんのか。2,3年は収入がなかったから、ありがたかった。生活保護はもうてへんで)。

そのうち、事業がうまくいきだして、給料は取り放題やから、使うわ、使うわ(儲け使いはあかんと注意されたけど)。

残がないはずやのに、どんどん出てくるので、銀行がまちごうてるわと喜んでいたけど、記帳すると、数字の前にマイナスがあった(銀行から借りていたんやな)。

年末調整も100万円ぐらいあった(当時は振りこんでくれた)。思わぬ小遣いに、また使うた(「なんで1年に300万円も服買うの」と怒られたこともある)。

そのうち、ぼくの口座から会社の経費を出すようになって、世の中のバブルも、ぼくのバブルもしぼんでいった。

解約手続きは終わったようや。女の銀行員は、「いい小遣いができましたよ」とやさしくゆうてくれた。ヘルパーが、施設に入居しているとしよりにゆうようやった。

もちろん、大体の金額はわかっていたけど、この10年の間に、2円、3円と利子がついて9930円やった。

確かに、今のぼくにはありがたいが、心からドッと喜怒哀楽があふれた。

それをこらえて、でも、涙ぐみながら、「恥ずかしかったけど、あなたのお陰で無事にすみました」と、じじいっぽくゆうてやった(ワイルドだろ~)。

あかんなあ、すぐ泣く。感情をコントロールできなくなると、喜怒哀楽が同時に出てくるのや。

こんなことになった「怒」(自分へも)、整理がついた「喜」、同情された「哀」、「楽」は?「楽」の場所から悔し涙が湧いてきたか。

「感情失禁」の発作は、急に起こる。テレビで、「のび太」が出てくるトヨタのCMを見ていてでも起こる(ジャン・レノのギャラはすごいやろな)。

のび太をいじめるスネ夫は、30才になっても、チャラくて、見栄っぱりやけど、「かわいこちゃんとドライブに行くよ」とどこかに行ったので、静香ちゃんとじゃないかと疑ったのびた太とドラえもんが、タケコプターでついていくと、老人施設のスタッフかボランティアをしているようで、車いすに乗ったおばあさんが、「海に行きたいわ」と言うと、それを押しながら、「おお、行こ、行こ」と車に乗せる。

CMの意図はわかっているけど、泣けてくる。「誰でも、大人になると変わるもんやなあ」

当分ヘンな童話作家をする。ヘンな「童話作家」やないで。「ヘンな童話」作家やから、ヘンな文章でも、うん、OK!わしゃ、ローラか。

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