「 長編」 一覧
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シーラじいさん見聞録
2016/06/23
それは、シーラじいさんの不安のように、刻々と広がりながら形を変えていった。 オリオンは、どこへ行ってしまったのだろうか。 そして、調査官たちは。 彼らは、指令に ...
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シーラじいさん見聞録
2016/06/22
シーラじいさんの耳に、規則的な信号はどんどん大きく聞えるようになった。 やがて、暗闇の中に大きな物体を感じた。まるで岩のように立ちふさがっていた。 信号は、その ...
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シーラじいさん見聞録
2016/06/21
あの誠実そうな調査官が立てた波は静まり、穏やかな海が戻っていた。 調査官は、ここをまっすぐ行ったところなどと言っていたが、イルカの特別な能力でしかわからない。 ...
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シーラじいさん見聞録
2016/06/20
シーラじいさんは、その後、鞄と運命を共にするかのように、次々と沈んでいく書類をじっと見ていた。 あの死体が鞄の持主ならば、あれはジムではないかもしれない。 とこ ...
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シーラじいさん見聞録
2016/06/19
その頃、水中通話機に、「トム、トム」というジムの切迫した声が聞こえはじめた。 「どうしたんだ?」とトムの声がだんだん近づいてきた。 「オリオンがかなり弱っている ...
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シーラじいさん見聞録
2016/06/18
何か大きな動物が休んでいるだけかもしれない、うっかり近づくと危ないと思って、しばらく様子を見ていた。 しかし、何時間たっても動こうとしない。ただ漂っているだけの ...
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シーラじいさん見聞録
2016/06/17
「オリオン、急げ」シーラじいさんはきっぱりとした声で言った。 しかし、オリオンは、「シーラじいさん、大丈夫でしょうか?」と心細い声で聞いた。 「ああ、大丈夫だ。 ...
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シーラじいさん見聞録
2016/06/16
しばらく沈黙があった。そして、「ジム、わかった」というトムの声が聞こえた。 「おめえの気がすむようにしたらいい」 「トム、ありがとう。おれは、二人に、助けてくれ ...
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シーラじいさん見聞録
2016/06/15
船は止まっているようだ。ジムに気がついたにちがいない。 黒々とした影が、だんだん大きくなってきた。右側の方でライトが動いている。 光の中に、ボートが浮かびあがっ ...
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シーラじいさん見聞録
2016/06/14
「それじゃ、行こう」 シーラじいさんは、大きな声で叫んだ。 オリオンとジムも、シーラじいさんに負けないほど大きな声で、「行こう、行こう」と叫んだ。 ゆっくり話を ...