賊軍

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復活ノート

「賊軍」
民主主義は古代ギリシャで考えられたそうです。当時は、ポリスという都市国家がいくつかあり、それぞれが独立を守っていたのですが、その後は、ポリス同士の戦争や外国からの侵入など、動乱の歴史があります。
しかも、紀元前からはじまった動乱は、第2次世界大戦後も続き、内戦や軍事政権などを経て、ようやく50年前に落ちついたのです。
どこの国民にも、長い間に染みついた考えがあるはずです。だから、第一党に50のボーナス議席がついたり、政権政党が過半数を得られない場合は再選挙をすることなどは、「妙な規則」などと思われていますが、それが、ギリシャ型民主主義なのです。
そして、再選挙の結果では、ギリシャはEUを離脱するかもしれないと、世界は騒いでいますが、そうなれば、ギリシャはギリシャで、膨大な借金を踏みたおせますが、破産しなければなりません。
国が破綻することと政治形態とは別物だと考えることはどうでしょう(実際、2つの一族が政権を争い、国民の支持を得るために、年金と仕事をばらまいたのがそもそもの原因です)。
とにかく、大事なことを何一つ決められない日本の政治の体たらくを見ていますと、安定多数と民主主義を両立させているギリシャの政治制度を見習えと言いたくなります(誰一人賛同者はいないでしょうが)。
ただ、日本人の国民性は自慢すべきものがあります。国民皆保険、インフラなどは世界に誇れるものです(水道水はおいしいし、道路も安心して走れます)。
国の破産はそうそうありませんが、企業や個人の破産は日常茶飯事の時代です。何を隠そう、私たちもそうでした。そして、非難されてきました(他人に迷惑をかけたのですから、ある程度仕方がないことです。連鎖倒産を引きおこした場合は、その罪は重いのです)。
ただ、どんな企業も、どんな人も、自ら破産しようとしたわけではありません。
その証拠に、最後まで資金の工面に走りまわり、その返済のために、財産を投げうった人がほとんどのはずです。
経営はうまくいかなかったけど、経営の内容も態度も落ち度がなかった、いや、見習うべきものが数多くあったという企業も経営者、スタッフもいるはずです。
私たちも、当座は、頭が混乱して、世の中やスタッフを責めたりもしましたが、ほんとは自分を一番責めたのです。しばらくは、あるいは何年も、自分を全否定さえするのです。
これは仕方がない面もあります。家族や社員の期待に応えることができなくなったのですから。
しかし、現実を受けいれなければ、復活はありません。現実を受けいれるとは、自分を否定するだけでなく、自分の努力も認めることです。これで、復活の第一歩を踏みだせたのです。
「勝てば官軍 負ければ賊軍」といいます。「賊軍」の中にもいっぱいいいものがあります。
マスコミには、毎日のように「賊軍」の企業、個人が出てきます。
内部のことは、あまり面(おもて)は出てきませんが、「賊軍」の事情を知ろうとするのも、自分の復活の役に立つかもしれません。
ギリシャを旅行した人に聞いたのですが、ホテルなどのスタッフも公務員のようですが、全く働かないので腹が立ったと言っていました。それは、それは私たちに無縁ですが。