夜明け前

   { }

復活ノート

「夜明け前」
上海万博が始まりました。世界中から大勢の人が詰めかけている様子が報道されています。
40年前(1970年)の大阪万博の場合は、一歩会場に入れば、夢の世界でしたが、今年は開催そのものが夢の世界のように思われます(40年前は、二十歳でしたので、初めてのデートは大阪万博でした)。
世界不況を物ともせず、GDP、自動車の生産販売量、防衛費などが世界一になった中国が最適といえます(実際の防衛費は公表額の3倍はあるとのことですから、万博の一つ二つは「屁もないこと」なのでしょう)。
「北京オリンピックで中国を知ってもらい、上海万博で世界を知って」、世界に確固たる地位を打ちたてるとのことです。
そして、自動車会社からラーメン屋まで、日本の企業がどんどん中国に進出しています。人口12億という大きなマーケットが魅力的です。
ただ、経済成長には、毒餃子事件でも取り沙汰されましたが、寝る間も惜しんで働いても、月給2万円足らずという低賃金が背景にありますから、いつまで「わが世の春」を謳歌できるかという不安があります。
しかも、朝日新聞が伝えていましたが、中国はアフリカのほとんどの国に食いこんでいますが、ある国の警察を賠償してパトカーを借り、サイレンを鳴らしながら出勤している中国人がいるようですから、足元をすくわれないようにしてほしいものです。
一般の日本人は、今の中国人を「成金」と見ているように思います。
蔭で悪口を言いながらも、高いものを買ってくれたり、日本に来てお金を落としてくれるのですから、中国人様様です(「ドロボー国家」などと言っている評論家もいますが)。
中国にもお世話になりましたが、まず日本です。
いずれ試行錯誤しながらも経済は回復していくはずです。そうなれば、肝心の消費も増えてくるでしょう。
そのときのためにどう備えるか。不況でも順調な企業は身軽な経営をしています。
あるテレビメーカーは、世界各地から安い部品を買って、他の企業に組立てを委託しています(スポーツシューズのナイキも、自社工場を持たず、すべて委託生産をしています)。
委託生産は、工場建設などの投資が節約できても、真似をされる恐れがあるといわれていますが、景気が戻っても、この経営方式を取る企業は増えてくるでしょう。
なぜなら、自動車を考えればわかりますが、ガソリンに代わるもの(電気はまだ実用的ではない)が見つかれば、世界地図は一気に変りますので、その開発費に資金を投入するからです。
私たちにとっても、この不況から学んだことを、いかに自分のビジネスに生かすか、あるいは、新しいビジネスを考案・開発するための経験にするかという経営者としての手腕が問われるときが近づきつつあるようです。