
幸福
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復活ノート
「幸福」
ギリシャの財政問題で、また不況が起きるのではないかと言われています。
ニュースなどを読むと、ギリシャは、EUに加入するために粉飾財政をしていたようです。
金持の子供の仲間に入るために、親からこれだけ小遣いをもらっているから一緒に遊んでというようなものでしょうが、それで、また信用不安から株が安くなると、世界経済が打撃を受けるのです。
EUは、昔EECと言っていましたが、E(経済)だけでなく、政治や軍事まで一つになろうということで、EUになったのです。
戦争の引き金になる「国家」という必要悪を少なくしようという発想はとてもすばらしいと思います。
人類の叡智というべきです(イギリスなどは、EC加盟に元々消極的でしたが)。
そして、小遣いが少ないことがばれて、EUの仲間からお金を借りても、いつか返さなければなりません。
聞くところによりと、ギリシャでは、50過ぎで仕事をやめれば(今は60過ぎ)、年金が、毎月現役のときの80%出るようです。
そんな国民が、爪に火をともすような生活(緊縮財政)に耐えられるのか。
世界のどこかに、税収が少ないのに手当などの大盤振る舞いをする国があれば他人事ではないかもしれません。
「貧すれば鈍する」と言います。
国家も、企業も、個人にも当てはまります。
「食品偽装ブーム(!)」が終ったと思っていましたら、まだ「マイブーム」を続けている企業がありました。
コープが、売れのこったトンカツ(パン粉をまぶしたままの状態)を冷凍にしておいて、「カツ重」として売ったが腐っていたということです。
店では、当日売れなかったものは廃棄処分にするということですが、個人の家では、そんなもったいないことしません。
しかし、店側では、においを嗅いだり、味見をしたりしなかったのでしょうか。
JR事故でも、あの日、あの前に、運転士はオーバーランをしてしまい、車掌に黙まっておくように頼んだということです。
調理責任者も、運転手も組織の一員としての悩みがあったのでしょう(事故の遺族は、そこを問題にしているのです)。
「人生の楽園」というテレビ番組があります。バリーションはありますが、定年を迎えた夫婦が、田舎で新しい生活をどのようにはじめたかというドキュメンタリーです。
定年になって、やれやれのんびりできるという人もいるでしょうが、まだまだ働かなくては食べて行けない人もいるでしょう。
また、田舎に戻っても、仕事や人間関係がうまくいかないということもあるかもしれません(もちろん、テレビはうまくいっている人が出ているのですが)。
ときどきその番組を見るのですが、私と同世代の人の幸福度をチェックするためには、
(1)生まれ故郷に住む
(2)家族・親戚・友人と固い人間関係がある
(3)若いときにしたかった仕事をするという、三つの条件のそれぞれにどれだけの得点をつけるかということになります。
もちろん、生まれ故郷でない都会に住んでいても、その都会が生まれ故郷に思えかというように変えてください。
(1) と(3)が及第点でも、(2)が悪ければ、人は幸福だと思えないかもしれません。
先日の番組では、宮崎から名古屋に集団就職して定年までがんばった人が(その間に同郷で同じ境遇の女性と結婚した)、宮崎に帰り、動物好きなのでミニ動物園のようなことをやっている姿が出ていました。
「寝転んで空を見ながら、こんなに幸せでいいのかと思いますよ」と言っていました。
石川啄木は、不義理を繰りかえした住職の父親のために、「石をもて追われるがごとく」、
なくなく生まれ故郷を出なくてはなりませんでした。
今や相撲はモンゴル人の独壇場ですが、大昔、ハワイから来る前は、トンガの国から大勢弟子入りしましたが、みんなホームシックでやめてしまいました。
幸か不幸か、当分続く不況で、自分の生活、自分の人生を考えなければなりません。
個人としても、あるいは、経営者としても、三つの幸福度チェックをしてみませんか。
ひょっとして新しい商品、サービスを作れるかも。