
プライド
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復活ノート
「プライド」
街角で他人の足を踏めば、相手が怒っても、素直に謝れば、まずはそれで一件落着で、そのまま先を急ぐことができます。
相手に、「あなたが急に出てきたのでしょう」などと言えば(実際そうであっても)、その場を離れるのには少し時間がかかるかもしれません(しかも、腹立たしい気分が数日残ることになります)。
国同士のいさかいでは、相手の要求どおりに謝っても、打算がからんでいるので、問題が解決することはないでしょうが。
世の中には、たとえ自分が悪くても、プライドがあるので、絶対謝りたくないという人がいます。
プライドは、なかなか一筋縄で行かない言葉のように思われます。
私は、30才過ぎから事業がうまくいくようになり、ベンツのSシリーズという車に乗るようになりました。
妻の反対には、「自分のプライドのためには必要だ」などと答えましたが、今考えれば単なる「見栄っぱり」の意味で使ったようです。
それを除外して考えれば、プライドとは自尊心のことで、「プライドが高い」とは「自尊心が強い」と同意義でしょうが、困ったことに、他人から低い評価をされると、防御のために、プライドを持ちだす人が多いのです。
他人から何を言われて動じない人が、「プライドが高い」と言うべきなのです。
私の叔母は今年米寿(88才)ですが、一人で暮らしていますので、「週に一回でもデイケアに行ったら楽だよ」とすすめても、「プライドが傷つく」というようなことを言います。
その血を引く私も61才ですが、スーパーなどで、「60才以上のおとしよりには無料でお荷物を運びます」というようなポスターを見ると、「プライド」という言葉が浮かんできます。
快適な人生には、体の検査だけでなく、言葉の意味の検査もしなければならないようです。
ビジネスの基本は顧客のプライドであり、しかも、その意味は人によってちがうことを頭に入れておいてください。
いかに安く売るか、いかに利益を出すかは、どの業界でも行われていることです。
そして、すべての客をどう喜ばせるかも行われています(プライドを満たす)。
営業マンに差がつくのは、相手がプライドをどう考えているかだと思います。
昔の私のように、プライド=見栄っぱりだと考えている客には商売がしやすいでしょうが。そこをしっかり指導してください。