決断

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復活ノート

「決断」
どこの店がおいしいかという情報は重要です。だから、その種のテレビ番組が増えているのです(制作費が安いことが一番でしょうが)。
また、どこかに行くときも、ネットで調べておきます。どのエリアか、何を食べたいか、予算はどれくらいか、どのネットも親切です。
その街に着いて、まだ決めかねていれば、繁華街の本屋に行きます。最近は、ほとんどビニールがかかっていますが、見本誌は見ることができます。
先日、京都に行く用事がありました。京都には、10軒ほどの行きつけの店があります(向こうは、なじみ客とは絶対思っていないでしょうが)。
その日は忙しく、京都駅の上階にあるレストラン街に行きました。さすが京都です、観光客で溢れていました(あれだけの外人を見るのは、関西では京都だけでしょう)。
それはともかく、「京野菜やブランドの牛肉」という看板に引かれて、ある惣菜の店に入りました。
私は、魚の煮付けセットを取りましたが、肝心の魚の煮付けはもう一つでした。
身がふにゃふにゃで、かなり前に作ったようです。
目の前の厨房で作ってくれると安心できますが、奥で作ってくると厄介です。
あまりに早く出てくると、少し温めてきただけなのじゃないかと疑いますし、時間が長いのもいらいらしてきます。
小料理屋に行けば、あらの煮つけが800円とか1000円とかしますので、最初は高いと思っていましたが(材料は捨てるものじゃないのかと)。鯛などの魚が高いのと調理技術が含まれていることがわかりました。
京都駅で食べた魚は赤魚でした。こういう店で出す魚じゃないだろうと文句をつけたくなりました(坊主憎けりゃ・・・ですね)。
ところで、私の店でも、魚の煮つけをすることがあります。一尾315円で配達もします。
おとしよりは、とてもおいしいと言ってくれます。京都駅の店の様子を見て、よし自分もと思っても、ある程度成功するかもしれません。
今や世界的な企業に上りつめたパナソニックやトヨタも、創業時は幼稚なものでした。
ご存知のように、パナソニックも、町の発明家が考えるような二股ソケットでしたし、トヨタも、アメリカに車を売りにいっても、坂道を登りきれなかったといいます。
どの企業も、霧に包まれた海に出ていったわけです。
ところが、時が立つと、押しも押されぬ企業になっていきました。しかし、そうなれば、また別の問題が起こってきます。
三菱がリコールを放置した問題を起こしたとき、幹部は、車を作るのは簡単なので気が緩んだと言いわけをしていました。
ニッサンも、財閥系なので、新車を出しても、多くの役員の稟議が必要です。
その間に、役人の1人1人が、デザインをいじくるので、稟議書が返ってきたときには、似ても似つかぬ車になっていたといいます(ニッサンの車が醜悪なのは、そういう伝統があるのでしょう)。
事業はまず決断です。決断をしなければ、何事もはじまりません。成功を確信してからと思っていては一生できないでしょう。
ところで、私は、京都でもどこでも、繁華街に出店はしません。私の進むべき道ではないからです。
ただし、「70才以上しか入れない店」というアイデアは浮びましたが。