複眼

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復活ノート

「複眼」
この前まで経済制裁をしていたロシアが、EUやアメリカと共同でISを空爆をはじめました(シリア寄りのロシアが空爆をすることを批判していたオバマ大統領も、パリでのテロ後の空爆にはロシアを褒めたたえています)。邪魔者を殺してから、喧嘩をしようということのようです。
中国問題でも、南シナ海、東シナ海の動きは認められないけど、経済はよくなってもらいたいとこちらが困るというのが本音です。
これが政治ということかもしれませんが、こんなことがどんどん増えてきているような気がします。
戦後すぐは、どこの国も経済的に苦しかったので、自分の主張を言うことはできませんでしたが、余裕ができると、大国に抑えられても、自らの考えを出すようになったのでしょうか。
国連の常任理事国どころか、自国が押さえつけようとしても(今まではできたが)、その不満をテロという形にする鬼っ子が出て来たわけです。
これは日本国内でもあります。政府(企業)の都合のいい政治だけを進めると、格差が広がり、不満が鬱積します。社会を震撼させる事件を起こす人間も出てきます。
「昔はこんな事件を起こす人間はいなかった」と言いますが、「こんな事件を起こす人間はどうして生まれたか」ということは一部の専門家しか考えません。
こういうことは、世界でも、すぐそばでも、増えつづけるような気がしてなりません。
それは、社会や人生、文化にまで影響を与えます。それを「曲がり角」と言ってもいいかもしれません。
もちろんビジネスにも影響があります。図体の大きなものほどうまく曲がれません。最近のVWでも、マクドナルドでも、もちろん大手電気メーカーでも、「曲がり角」で躓いたのです。
私たちは、現代を、今まで以上に「曲がり角が多い」時代だということを忘れないことです。
ただし、「曲がり角」は多いが、それを作りだす人間の「人間性」は変わりません。
この複眼的な考え方を使えば、社会の複雑な現象も整理することができます。
また、新しいビジネスを考えだすこともできるし、先行する企業の弱点を見つけだすこともできるのです。
そして、経営が軌道に乗っても、慢心せずにこの考え方を持っていれば、こんな曲がり道しなくてもよかったかもしれません。