エネルギー

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復活ノート

「エネルギー」
自殺者が3万人を切ったということですが、喜んでばかりはいられません。20,30代の自殺者は増えていますし、実際、変死者で片付けられているのは、その何倍もあるようですから、自ら命を落とす人は、今も十万人以上はいるようです(遺書がなければ自殺とカウントされないようです)。
自殺と気軽に言いますが、普通に生きていけばそう簡単に自殺できるものではなりません。
私も、すべての財産を失ったとき、死んでしまおうかと思いましたが、自分の心と体が生きようとしているのを妨げることはとてもできそうにありませんでした。少しぐらいの赤っ恥に耐えるほうがどれほど楽かと痛感しました。
それが、生命体にとっては普通のことだと思うのですが、実際は大勢の人が自殺しています。そんなことをするのは、心と体が弱っているとしか思えません。
つまり、病気です。心にあっては、ノイローゼや鬱病であり、体にあっては、どこかが正常じゃないのです。
若者の自殺は、体の異常は少なく、心の病気でしょう。しかも、就職などで悩んでいたのもしれません。
就職できなかったことは命より大事かと問うひとがいるかもしれませんが、普通なら自分を守ってくれる心が役に立たなくなっていたのです。
心と体が一つになって、「生きるエネルギー」になるのです。
私は、介護コンサルタント会社をしていますが、毎日おとしよりを見ているスタッフから話を聞きますが、人間の「生きるエネルギー」はすごいと思います。
あるおばあさんは、内臓がほとんど不全状態で、食事はほとんど取らない、血圧は最高でも6,70しかない、おしっこは赤黒く少ししか出ないというのですが、その状態で、もう1年も生きているのです。一つの生命体として、生きようとしているのでしょう。
「未熟」の意味は、自分のもっている「生きるエネルギー」の使い方を知らないということかもしれません。
今を時めく「今でしょ!」の「林先生」は、最近よく出ている「バラエティ」の中で、「どう勉強をするか」か「どう生きていくか」を聞かれて、「不得意なものはそこそこ勉強して、得意なものは、人の何倍も勉強すること」と答えていました(「塾や予備校は暴力団の次に社会の敵」という持論をもっている私でも、その説明には納得しました)。
団塊世代の時代から、若者は、この世には一つの道しかないように思わされてきました。そのゴールが就職だったのです。大企業に就職するのには得意ではなくとも、誰でも、「生きるエネルギー」はあるはずです。
それを自殺のために使うのは何と愚かなことか。それを若者に教えれば、伸びる命を救うことができるだけでなく、大勢の若者のエネルギーを一つにまとめたら、会社の一つや二つはすぐにできます。
また、組織そのものも、大きなエネルギーがありますが、それをコントロールしようとしないから、個々のエネルギーを台無しにするのです。
まずは、自分のエネルギーの使い方から考えましょう。もちろん、その量も。