嫉妬
今日も、ムーズがやってきた~あなたと漫才を~
「嫉妬」
大リーグ記録を抜いたイチローに、嫉妬(やきもち)を焼く選手も多いやろな。「ほんまやったら、わしの方が、よう打ったはずや。誰かに邪魔をされたからや」。実際、レギュラーになれへん選手は、誰か、ケガや病気をせえへんか、いつも思っているそうな。でも、イチローには、それ以上矛先は向かわへんと思う。別に、権力で勝ち取った実績とは関係ないからな。
イチローは、ほんまに野球が好きやったんやな。小学生から、ほとんど休まんと、バッティングセンターで練習したゆうから、なんぼ親が、「星一徹」でも、好きやないとでけへんな。「好きこそ、物の上手なれ」ゆうて、ほんまやったんやな。
昔、「鉄腕・稲尾和久物語」の映画みたいや。なんでか忘れたけど、稲尾も、小学生のとき、嵐の日に、船を漕いでいたな。そうやって、「神様、仏様、稲尾様」ということになったんや。タイガースの吉田義男も、24時間、ボールを握っていて、「牛若丸」といゆわれるほどの遊撃手となったのは、有名な話や。
イチローも、映画にしようと考えている奴は、多いはずや。今の子供は、サムライとは、イチローのことやと考えているらしいからな。走っている車のプレートナンバーを読んだり、その数字を足したりという訓練もしたとゆうから、これは、「スポ根」の再来やな。
ところで、嫉妬は、女の専売特許みたいに思われているけど、だれでも持っているもんや。現れ方が、ちょっと違う。浪花千栄子を知っている人も少なくなったけど、日本一の喜劇女優や。「ワタシも、使ってます」ゆうて、オロナイン軟膏のコマーシャルしてたけど、京都の嵐山に、女優の仕事とは別に、料亭してはったんやけど、庭の踏石の裏には、「渋谷天外」と彫ってあったそうな。「みなはん、踏んでおくれやす」とゆうことや。オォー、怖ッ!いろいろあったんやな。嫉妬は、うらみ、憎しみになるんやで。
男の場合は、うらみ、憎しみを通り越して、いろいろな姿になる。天下のため、正義のためとゆうても、「わしを大事にせんかった」ということが根元にある。「敵は、本能寺にあり」と、主君の織田信長を襲った明智光秀は、原因がよくわからへんようやけど、底には、豊臣秀吉に対する嫉妬心があるとゆう人もいる。嫉妬やからこそ、姿を変えてきよんねん。
ときには、「自分は、あかん」という姿になることもある。嫉妬が、世界を動かし、世界を作ってきたといってもええと思う。
ぼくも、雇っていた営業部長が、サボって仕事をしなくなった経験がある。今考えたら、契約していたコンサルタントとばっかり相談していたから、嫉妬したんや。ぼくの、悪いところは、それを聞いたら、余計に邪険にしたことや。とにかく、誰でも持っている嫉妬心を、いかにエネルギーに変えることが大事や。そういえば、ぼくにもある。インターネットで「物売り」なんかして、プロ野球でも買おうかゆうてるやろ。あんな商売、誰でもできるわいと、妬(ねた)んでいるところがする。こいつは、チャンスや。