おじさんの話(10)

   

今日も、ムーズが降りてきた~きみと漫才を~
「おじさんの話」(10)
世のなかには勉強が好きな人がいて、一人で医師免許と弁護士資格を持っている人がいる(ときどき、ワイドショーのコメンテーターとして出ている)。
また、資格を取るのが趣味で、何百と持っている人もいる(「危険物取り扱い免許」とか「理容師免許」とか「ふぐ調理師免許」とか、何千とある)。
しかし、イチローは、野球するための資格は持ってない(アメリカで仕事するためには、「就労ビザ」はいるだろうけど)。大学教授も総理大臣も資格はいらない。
資格がないと、自分のしたいことができないこともあるだろう。それは、じゃまくさいことではあるが、受験勉強の範囲は、その仕事の内容を知ることができるぐらいの気持ちでがんばってもらおう。
資格がいらない場合は、その仕事を自分なりに変えることができる(イチローが、そうしているように)。
ところで、資格というのも、また別の意味がある。
大人になれば、「おまえには、そんなことをする資格はない」とか「あなたは、私と結婚などする資格はないわ」と言われるみんなも出てくるだろう。そう言われても、「自分は生きている資格はない」などと絶望しないで、資格が恥ずかしくなるような人生をめざそう。とにかく、一つのことだけでも、人生を短い(らしい)。
学者でも、「自分の専門でござい」といっている範囲は、素人から見たらほんとに小さい(その一点を知るための研究をどうするかが決め手だ)。
一曲だけヒットしてその後は音沙汰がない演歌がいる。芸能人は、テレビに出ているかどうかで評価されるから、「あの歌手、最近見ないけど、『帰ってこぉーいよぉー』」とからかわれる。
しかし、一曲あれば、歌手として十分やっていけるらしい。それを看板にして、あちこち回れるからだ。
お笑い芸人も、そうらしい。お笑いブームといっても、コンパ芸のようなものだから、すぐにあきられる。
そこで、「つぶやき四郎を見たか」、「波田陽区は、どこをさすらっているのか」などといわれる(おじさんは、今、小島よしおが好きだけどね。「高齢社会とか地球温暖化とか言われても、まずちゃんとした仕事をくれないと、「そんなの関係ねぇ、そんなの関係ねぇ」というわけだ。今年消えるナンバーワンらしいけど、同じ裸芸のHGより長続きするように思う」。そして、テレビから消えても、一発芸があれば、テレビより多いギャラで地方を回れる。所属していたプロダクションは、「もう自信がなくなりました」とか言ってやめる。そうなりゃ、優雅な人生がおくれるらしいよ。
それでは、一つのことをどう決めるか。みんなも、いやになってきているのはわかるが、おじさんのほうが、もっといやになってきた。いよいよ次が最後だ。

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