残暑見舞い~心頭滅却すれば火もまた涼し
今日も、ムーズが降りてきた~きみと漫才を~
「残暑見舞い~心頭滅却すれば火もまた涼し」
夏、今でゆう「部活」をしていると、口がカラカラになっても、水を飲むのはご法度やった。教師には軍隊帰りもいて、運動をしているときに水を飲むとはけしからんとゆうていた。大体、そんなことをすれば、内蔵を痛めるんやて。
ぼくらより年上の坂東英二は、野球の練習で水が飲みたくなれば、ボールを取るふりをして、田植えがすんだ田んぼのなかで、わざとひっくりかえるとゆうていたな(当然、農薬も使うているやろ)。
ようやく休憩になって、顔を洗うふりをして、腹いっぱい飲んだけど、どこか悪いことをしている気がしたもんや。
とにかく、世の中、根性、根性やった。戦争に負けても、それは変わらんかった(それで経済成長でけたのやろか)。
しかし、人情も残っていた。新聞の投書欄に、「都会にいる息子の家に行ったとき、嫁は、冷蔵庫のドアを開けて、『お義父さん、ここで涼んでください』と言ってくれた」とゆう文章が載った。
当時、クーラーがある家はあまりなかったし、扇風機では涼しくないだろうという嫁の配慮に感激したのやろか、反響はしばらく続いたように思う。
最近、人情が少なくなったと嘆く声を聞くが、根性はどうやろ?(非科学的な根性はいらんけど)。
今年は「沈黙の春」ならぬ「沈黙の夏」で、セミの声をあんまり聞かんけど、どうしたんやろ?
セミは、土の中に7年いると聞いているが、こう暑くては出てゆく気が起こらんのかもしれん(7年も8年もそう変わらんから、また来年と思うていればええけど)。
また、いつも通っている国道の温度計が狂うた(7月の半ばまで正常やったのに、突然、-50度とかー70度とか表示しだして、-99度を最後に表示が出んようになった。温度計もたまらんようになったんやろな。
「夏はガンガンにクーラーかけて、冬の掛け布団で寝る。これ、最高っす」なんてゆうていた若者はどうしているのやろか(「まいう~」の石塚は、冬でも、車の中を冷房にするので、「冷凍車」とゆわれているそうやが)。
とにかく、今年は寝つきが悪い。この前も、昼うつらうつらしていると、テレビから、「1000ミリ・・・」とゆう声が聞こえてきた。「1000ミリシーベルトか!」と驚いて起きたが、「雨が、この3日間で1000ミリメートル降りました」とゆうことやった。
とりあえず、電力量を押さえたかったら、稲川淳二しかないっしょ。
ゴールデンタイムに、毎日強烈なやつをやってもらう(「高速道路を走っていると、急に霧が出てきたかと思うと、若い女が・・・」とゆうようなの)。
制作費もローソク1本ですむし、見るほうも、電気消して聞くと、体がゾクゾクしてきて、クーラーも始末できる。
着るもんも、金かけたほうがええで。ぼくも奮発して、定価2000円ほどの夏用パンツ(セールで半額ぐらいやけど)と、汗がすぐ乾くズボン(これもセールで)を買うたけど、これは気持ちええわ(はいてへんように涼しい)。
ところで、今回の地震は、地殻だけやなくて、現代文明そのものを揺るがした。
地震や津波は、地球があるかぎり、今も、昔も、これからもあるけど、現代文明を揺るがしたのははじめてやないか。
小松左京は、「この地震を乗りこえたら、日本は、ユートピアになる」と遺言したけど、今が、その分かれ目なんやろな。
せやけど、そんなにむずかしいことないような気がする。
今回の地震の後、世界も動揺したが、そうゆうときは、詐欺師が元気になるもんや。
台湾では、「震度14の地震と170メートルの津波が来る」ゆうた占いがいて、コンテナーがよう売れたそうやけど、そこまではいかんでも、今の原発が科学的に目ぃっぱいのものに耐えられるかどうかだけの話やろ。
産業や経済は、それ以前の話や(日本に人が住めなくなったら、産業や経済どころやない)。それから、エネルギーをどうするか考えることや。
個人が抱えている問題も(もちろん、ぼくにも多少ある)、他人にはうかがいしれんけど、ほんまは簡単なことやないやろか。
むずかしいことを単純に考えること。これが暑苦しい夏を乗りこえるコツかもしれん。
残暑見舞いでした。